那覇市の民泊施設の約8割が「ヤミ民泊」であることが明らかになった。

 大手民泊仲介サイトに2017年7月時点で掲載されていた民泊施設622件を調べたところ、522件が旅館業法の許可を得ていなかった。

 周辺住民とのトラブルの増加などを受けて実施したもので、民泊利用や施設数の実態調査は初めてである。

 住宅の空き部屋などに有料で人を泊めることができる住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行される。それに先立ち3月15日からは住宅提供者らの届け出の受け付けが始まる。

 民泊新法は増加する訪日外国人の宿泊施設の受け皿とするのが目的で、自治体に届けるだけで民泊営業ができるようになるなど規制緩和の色合いが濃い。那覇市は民泊新法施行による混乱を最小限にとどめるためにも周知を徹底してもらいたい。

 民泊新法の施行を前に県は2月定例県議会に条例案を提出している。住居専用地域や、学校敷地の周囲100メートルでは営業できず、営業曜日を制限するなど大まかな内容だ。

 那覇市は家主居住型の民泊を「観光交流コンテンツ」と位置付ける一方で、ビジネスホテルなど既存宿泊業も重視する考えを示す。

 民泊について那覇市は市民の安全、安心の確保を第一に、住みよい生活環境を守るとしている。市民生活への配慮、ホテルなどが集中する宿泊業、民泊営業による地域振興とのバランスをどうとるのかが課題だ。

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 参考になりそうなのが京都市である。同市は年間5500万人を超える観光客が訪れる世界的に有名な観光地だ。

 民泊利用者による騒音やごみ捨てを巡る苦情が相次いでいることから条例づくりに着手した。

 今月発表した条例案では、住居専用地域での営業を1月15日から観光閑散期の2カ月間に限定している。市街化区域の約44%を占める住居専用地域に与える影響を規制するなど市民の生活環境に配慮する狙いがある。

 さらにトラブルや苦情などが発生した場合に素早く対応できるよう営業時間中は管理者が常駐するか、10分以内に駆け付けられる範囲に置くことを義務付けている。届け出前に事業計画を近隣住民へ説明することも求めている。

 条例に違反し、指導に応じない場合は5万円以下の科料の罰則も盛り込んでいる。文化遺産や観光客が多いという地域の実情を踏まえた京都市らしい条例案だ。

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 那覇市の16年度の民泊利用者は約10万人である。観光収入は約73億円で、市全体の観光収入に占める割合はまだ2・2%にすぎない。

 24年度には不足する客室を民泊がカバーすることを前提にすれば、観光収入は約558億円で、10・3%に伸びると試算している。

 民泊新法の施行を契機に、新しい観光の手法として全体の観光振興の中にどう位置付けていくか。

 明確なビジョンを反映させた市独自の条例などルールづくりが必要だ。