【午前】

菅官房長官=17日午前、首相官邸

 -法廷闘争に入ったことをどう受け止めるか。

 「辺野古移設の問題の原点は今から約20年前に、沖縄県知事の要請を受けて世界で最も危険と言われる普天間飛行場の危険性除去と閉鎖を日米で合意し、その3年後に辺野古移設を県知事、市長の同意のもとに閣議決定した。その後、紆余曲折(うよきょくせつ)があったが一昨年末に当時の仲井真弘多知事から埋め立て承認をいただいた。既にその段階で行政の判断はされていると思っている。わが国は法治国家だから、行政の継続性という観点からも埋め立て工事を進めていくのは、ある意味で自然のことだ」

 「その後に、埋め立て反対の翁長雄志知事が当選した。政府と沖縄県では8月に工事を約1カ月中断して集中協議を開催したが、翁長知事は問題の原点は終戦後に強制的に土地が接収されたことだと主張した。そして先月13日に、何ら瑕疵(かし)もない埋め立て承認を取り消した。取り消しは違法であるだけでなく日米合意以来、沖縄や政府関係者が普天間の危険除去のために大変な努力をしてきたものを無視するものであり、非常に残念だ」

 「普天間の危険性をどうするかは現職知事の極めて重要な問題のはずだ。国土交通相は地方自治法に基づき翁長知事に承認取り消し処分を取り消すよう勧告および指示を行ってきたが、知事はこれを全て拒否した。今回の訴訟提起は普天間の危険除去を考えたときに、やむを得ない措置であると認識している」

 -翁長知事は判決が出るまでは移設作業を中止すべきだと求めている。

 「普天間が危険であることは間違いない。周りに住宅が密集し、特に一番近い小学校は金網1枚で基地と隣り合わせているという極めて危険な状況だ。辺野古移設を着実に前に進めていく必要がある」

 -現在、工事を進めている根拠は知事の取り消しを一時停止したことか。

 「法治国家だから、法律に基づき淡々と行っている。それに尽きる」

 -県による抗告訴訟で仮に国側が負ければ法的根拠を失って、工事を進めることはできなくなるのか。

 「法治国家なので法律の判断に従って進めていくのが民主主義だ」

 -沖縄の民意に背く政策を推進すること自体、民主国家と言えないのでは。

 「そういう指摘は承知している。ただ、沖縄の11市のうちの9市長は条件付きで(容認し)、翁長さんの行動に反対している。直接被害のかかる辺野古の地元も条件付きで賛同している。わが国は民主国家だ。行政の継続性を踏まえた中で、自然環境や住生活の環境に配慮しながら進める」

【午後】

 -今後、どのように国民の理解を得ていくのか。

 「沖縄県側からの要望を踏まえ、時の総理大臣と米国大使が話し合い閉鎖を決定した。さまざまな地元の意見を踏まえ、いろんな方が努力をして辺野古に決定した。漁業組合の同意が必要だったが手続きに基づき時間をかけて頂いた。しかし、残念ながらこうした遅れで普天間の危険は除去されていない状況だ。三つの機能のうち、安倍政権になってから、空中給油機15機は岩国飛行場に移転した。沖縄に駐在する米軍2万8千人のうち、約3分の1の9千人は、グアムをはじめ国外に移設する。そうした説明をしながら理解を求める」

 -沖縄の民意より日米同盟を重視するとの考えか。

 「全く違う。そもそも普天間の危険除去、閉鎖は沖縄からの強い要請だ。翁長知事は自民党の県会議員時代に早く進めるべきだと演説している。現職の知事としてこの現実をどうするのか、私は翁長知事から全くその解決策を聞いたことがない。知事は米軍が戦後駐留したことが原点だと言うが、(政府は)危険除去が原点だと思っている」

 -知事が取り消しに踏み切らなければ、政府としては、代執行の手段はとりたくなかったか。

 「集中協議で普天間の危険を除去するための具体策を話し合う余地が全くなかった。取り消し処分を知事がしたので、法的に基づき(裁判を)行うということだ」

 -県は抗告訴訟を起こす方針を固めた。訴訟合戦になる形だが受け止めを。

 「政府は関連法令に基づき自然環境や住民の生活環境に最大の配慮をしながら進めさせていただく、そういうことに変わりはない」