【名護】那覇市内の観光案内などをする「那覇まちま~い」のメンバー7人は17日夜、名護市のホテルで、元白梅学徒の中山きくさん(87)の沖縄戦体験を基にした朗読劇を修学旅行生に披露した。

沖縄戦体験を基にした朗読劇に聞き入る修学旅行の高校生たち=17日、名護市・ホテルリゾネックス名護

 メンバー全員が沖縄戦体験のない30~60代。体験者の高齢化が進む中、非体験者から非体験者へ語り継ぐ、新たな形を模索する。

 山梨県立笛吹高校の2年生280人が朗読を聞いた。野戦病院で負傷兵の足を切り落とす手術の場面では「ああ! 痛いよ、助けて」「貴様、それでも日本軍人か!」の声が飛び交う。中山さんが激しい機銃掃射の中を逃げる場面では音も再現。生々しい描写に眉間にしわを寄せ、ハンカチで口もとを覆って聞く生徒もいた。

 修学旅行生向けの朗読が始まったのはことし。3月、糸満市のひめゆり平和祈念資料館で1989年から続く元学徒の体験講話が、高齢化を理由に終了したことがきっかけ。新たな継承の手段はないかと模索し、生徒らが入り込みやすい劇という形にたどり着いた。仲正児さん(49)は「体験していない僕らでも、若い世代に伝えられる」と語る。

 稽古を見学した中山さんは「当時の戦場にいるような気がする」と驚き「高齢になった私たちの体験が次世代に引き継がれ、若い人に伝えていく取り組みは意義深い」と評価する。

 朗読を聞いた神谷瞬歩君(17)は「来る前に沖縄戦のことは調べてきたつもりだけど、重たい気持ちになった。できることは限られてるかもしれないが、劇を見て、伝えることはできる」。山梨に帰ったら、弟に劇のことを話すつもりだ。