9秒でまるわかり!

  • 発掘が進む中城御殿跡で琉球王国時代の巨大な石積みを確認
  • 王位継承者が住んだ邸宅で、不明だった外壁の範囲が明らかに
  • 庭園や御嶽跡も確認。研究者は「沖縄戦で破壊されず奇跡的」

 発掘調査が進められている那覇市首里の旧県立博物館跡地にある中城御殿跡から、同御殿内で最大規模となる琉球王国時代の石積み遺構が確認されたことが19日までに分かった。これまで記録や証言がなかった最外壁の石積みとみられており、関係者は「これだけの石積みは過去の調査でも例がない。沖縄戦で破壊された遺構が多い中で奇跡的だ」と話している。(与儀武秀)

中城御殿跡で確認された石積み遺構=19日、那覇市首里・旧県立博物館跡地

中城御殿跡で確認された石積み遺構=19日、那覇市首里・旧県立博物館跡地

 中城御殿は、琉球王国の王位継承者が暮らしていた邸宅。もともとは現在の首里高グラウンド部分にあったが、1875年に旧県立博物館跡地に移転された。

 確認された石積みは高さ約3メートル、幅約15メートル。強度を保つため加重がかかる下の石が大きく、二重の層になっている。正面から続く御殿内外を区切る石積みの一部とみられ、確認によりこれまで不明だった外壁の範囲が明らかになった。

 中城御殿跡の発掘調査は建築物などの遺構がどの範囲で残されているかを確認する目的で2007年度からほぼ毎年実施。これまでに按司屋敷の跡など、近代から戦後にかけての遺構や遺物が確認されている。

 本年度は6月~12月中旬までの調査予定で、周辺からは記録のない深さ11メートル以上の井戸のほか、庭園遺構、御嶽の痕跡も確認された。

 県の担当者は「まったく考えていなかった大きさで位置も想定より東側に寄っている。周囲に沖縄戦の爆弾の陥没穴がある中、残っているのは奇跡的で予想外の成果だ」と話している。

 遺構は調査後に埋め戻して現状保存される予定。