来夏の参院選で自民、公明両党が慰霊の日に当たる6月23日の公示を想定していることを受け、自民党沖縄県連(島尻安伊子会長)は19日までに、沖縄戦の歴史に留意するよう党本部に申し入れた。翁長雄志知事は同日、県庁で記者団に「いかがなものか」と述べ、日程を問題視した。一方、菅義偉官房長官は会見で「まだ何も決めていない」と述べるにとどめた。1945年の沖縄戦終結後、参院選は23回、衆院選は26回あったが慰霊の日に公示・投票されたことはなく、沖縄県内では反発が強まっている。

6月23日の沖縄慰霊の日

 ただ、政府・与党内には19日時点で、公示の日程を変更すべきとの声は広がっていない。沖縄担当相で3選を目指す島尻氏は「国会審議も始まっておらず決定した日程でもないので、お答えは控えたい」と言及を避けた。

 辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」の枠組みで立候補を予定する元宜野湾市長の伊波洋一氏は「慰霊の日の戦没者追悼式は首相も参加するはずだが、そんな日に公示を設定するのは沖縄軽視だ」と批判した。

 慰霊の日は県内で公休日に指定され、糸満市摩文仁の平和祈念公園で遺族や知事、県議らが出席して、沖縄全戦没者追悼式が開かれる。

 例年、首相や沖縄担当相も参列。県内各地で慰霊祭があり、沖縄戦で犠牲になった人の冥福を祈る。

 公示日には候補者が「第一声」を上げ、一日中遊説に出る。慰霊の日と重なれば鎮魂に水を差しかねず、候補者や支持者、選挙管理委員会の職員を含め、多くの県民に影響が出るのは必至だ。

 衆参選挙の公示は憲法で、天皇が内閣の助言と承認に基づいて行う国事行為とされている。

 81年、当時皇太子の天皇陛下は記者会見で「どうしても記憶しなければならない」として、慰霊の日、広島原爆の日(8月6日)、長崎原爆の日(8月9日)、終戦記念日(8月15日)を挙げている。宮内庁はホームページに「忘れてはならない4つの日」として掲載している。