〈わたしのせんせいは てつぼうを 10かいさせます せんせいは いっかいもやりません〉。1981年に出版された「一年一組 せんせいあのね」に収録された一編

▼「ダックス先生」の愛称で知られる鹿島和夫さんが生徒たちに毎日の生活で見聞きしたこと、感じたことを書かせた「あのね帳」から生まれた詩の数々はオリジナリティーにあふれ、時に批判精神に富んで大人をドキリとさせる

▼あのね帳は先生と生徒の対話ノート。鹿島さんは子どもたちの書いたものを丹念に読み、赤ペンで返事を書いた。これを始めたのは「子どもが見える教師になるため」という

▼教員の働き方が問題になっている。小学校で約3割、中学校で約6割の教員が過労死レベルの月80時間以上の残業をしている。県内は公立学校の教員の病休発生率が全国の3倍。背景に多忙があるとみられる

▼那覇市で開かれた教員の働き方を考えるシンポジウムでは事務作業の多さと部活動の負担の大きさが指摘された。県内は高校生の不登校率、中退率も全国一で教員には生徒へのより丁寧な関わりが求められる

▼シンポで教育評論家の尾木直樹さんは教員に余裕ができてこそ子どもの表情を読み取れると語った。揺れながら成長する生徒の「あのね」を聞き逃さないためにも、教員の働き方を変えなければ。(高崎園子)