沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て工事に向け、沖縄防衛局が国の天然記念物「オカヤドカリ」の捕獲・移動の許可申請を沖縄県教育庁に提出していた件で、教育庁が「適切な保護」を求める意見を付した上で書類を文化庁に送ったことが20日、分かった。

オカヤドカリ

 知事部局では「新基地阻止に向けた知事権限の一つになる」と期待する声もあったが、許可権限は文化庁にあり、教育庁は申請の窓口にすぎないため、教育庁側は申請書の送付は避けられないと判断した。

 防衛局が示したオカヤドカリの移動策などについては、専門的な観点から適切な措置を講じるよう注文を付けた。

 防衛局は9月11日に許可申請書を提出。教育庁は追加資料を求めたり、生物の専門家から意見を聴いたりするなど、窓口機関として慎重に審査していた。

 文化財保護法は、天然記念物の捕獲や移動について、地元の都道府県教育委員会が付ける意見を踏まえ文化庁長官が許認可や同意をすると規定している。

 教育庁関係者は「政治的な思惑によって文化財行政の判断が左右されるのは危険。いたずらに文化庁に送るのを長引かせれば『行政の不作為』を問われるおそれがあり、あくまでも専門的・学術的な観点から適切な保護策を求めた」と話している。(鈴木実、伊禮由紀子)