戦後の米軍支配に立ち向かった政治家、故瀬長亀次郎さんを描き、沖縄県内外で大ヒット中の映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の書籍化を記念し、監督で筆者の佐古忠彦さんのトークショーが18日、ジュンク堂書店那覇店であり、取材秘話などを語った。書籍「『米軍が恐れた不屈の男』瀬長亀次郎の生涯」(講談社)には、映画に盛り込めなかった逸話なども収録した。

著書に込めた思いを語る佐古忠彦さん=ジュンク堂書店那覇店

 1995年の米兵暴行事件から、取材者として沖縄に向き合ってきた佐古さん。基地問題で一面的な部分を見た沖縄批判の声が相次ぐ状況はなぜかと考えたとき「本土の人々の認識から沖縄の戦後史が抜け落ちている」との思いに至ったという。「本土復帰後にどんな闘いがあったか。戦後史の主人公の彼の姿を通せば、問題の核心に近づけると思った」と明かした。

 200冊の日記などを通して迫った瀬長さんを「政治的な分類をも超越した存在だからこそ、今もこれほど愛され求められるのではないか」と語った。書籍は那覇店で2週連続40冊を売り上げ、沖縄本で1位、一般書の総合部門でも2位にランクインしているという。

 7カ月の赤ちゃんを抱き話に聞き入っていた自営業の島袋博江さん=那覇市=は「亀次郎さんが、今も基地問題が続く沖縄を見たら泣いて悲しむだろう。私たち一人一人が彼の不屈の精神を受け継けば新基地を止め、普天間基地も閉鎖できる」と語った。