3月11日投開票の石垣市長選挙は、最大の争点となる見通しの市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡る立候補予定3氏の見解が異なり、対立軸として表面化している。現職の中山義隆氏(50)は「国の専権事項」と理解を示しつつも賛否は明確にせず、前市議の宮良操氏(61)は「島にミサイル基地はいらない」と配備自体に反対、県議の砂川利勝氏(54)は現計画を「白紙」にし住民合意が得られる別の場所へ配備-の立場だ。現計画を容認するか否かでは事実上、現職と新人2氏が対立。告示まで2週間を切る中、3氏は政策の浸透を図っている。

(写真右から)中山義隆氏、宮良操氏、砂川利勝氏

 これまでに、中山氏は「争点は自衛隊だけではない」とし、経済振興など「どれだけ島を豊かにできるか」が最大の争点と主張。一方、宮良、砂川の両氏は陸自配備に関する公約を「すべての政策の土台」「公約の一丁目一番地」とそれぞれ位置付けた上で、経済振興策などを掲げている。

 注目されるのが配備に慎重派・反対派が多いとされる公明支持層の動きだ。公明は近く中山氏を推薦する見通しだが、一部支持者が砂川、宮良の両氏へ流れる動きも。

 配備に反対でも宮良氏に距離を置く者もあり、「反現職」票の行方を含め情勢は不透明さを増している。

 中山氏は「専権事項なので国が決めること」と現計画を事実上容認しながらも「話し合いのテーブルに着き中身を確認し、反対する住民の声も聞きながら決めたい」などと繰り返す。

 中国の海洋進出などを踏まえ「南西諸島地域の防衛体制の充実は極めて重要」との認識で、2016年12月末には防衛省が配備手続きを進めることを了承した。一方、受け入れの「最終判断」は保留している。

 宮良氏は「島の将来を左右する問題だ。配備を止めなければ未来永劫(えいごう)に禍根を残し、平和に汚点を残す。島のどこにも基地は造らせない」などと反対する。

 「自衛隊の存在自体は否定しない」との認識を示した上で、県全体の基地問題や日米地位協定の問題などを念頭に「観光業を含め、われわれが求める豊かな島づくりを考えれば、基地を担うことは非常に課題が多すぎる」と指摘している。

 砂川氏は中国の動きなどを念頭に配備推進の立場を明確にする一方、「住民の理解も合意も得られない」現在の配備予定地は「白紙に戻す」と明言。「合意が得られる場所」を国に提案し配備を推進する考え。

 「国の安全安心、国民の生命財産を守る上で自衛隊は必要」と強調。想定する代替地は防衛省がこれまで調査した地域を軸に検討し「対話で必ず住民の理解をいただく」としている。