結腸や直腸などに発生する大腸がん。沖縄県健康長寿課によると2013年の沖縄県内死亡率は、全国で男性が5位、女性が2位と高い。一方、大腸がんの受診率は全国平均が19・1%に対し、県内は13%。順位も10年から46~43位と低迷が続いている。専門家は「死亡率が高いのは低い受診率が影響している。人間ドックや健康診断で定期的に検査することが重要」と強調している。(学芸部・豊田善史)

「大腸がんは早期発見すれば治る」と話す、浦添総合病院医師の金城福則さん=浦添市・浦添総合病院

大腸がんの症状

「大腸がんは早期発見すれば治る」と話す、浦添総合病院医師の金城福則さん=浦添市・浦添総合病院 大腸がんの症状

 那覇市に住む宮城義一さん(72)=仮名=は、20~50代のころまで、1日にたばこを一箱、お酒は週末を除き、泡盛を2合飲む生活が続いていたという。

 64歳の時、人間ドックで受けたCT検査(エックス線を使って体の断面を撮影)で大腸がんが見つかり、手術をして切除した。

 その後は、血液検査でがん再発の有無を確認するため、腫瘍マーカーを2カ月に1度、CT検査を半年に1度受けている。

 宮城さんは「自覚症状もなかったので発見された時は驚いた。今後も定期検査を受けて無理をしない生活を心掛けたい」と話した。

▽低い危機意識

 浦添総合病院消化器病センター顧問、医学博士の金城福則さんは、大腸がんの症状は血便や貧血、慢性的な便秘や下痢などがあるとし「沖縄の人は血便が出ても『痔(じ)』だと自己判断し、貧血の症状があっても病気かもしれないとは思わない傾向がある」と危機感の低さを指摘した。

 また「肥満やたばこ、過度の飲酒が続くと大腸がんになりやすい」と説明。「肥満の主な原因は運動不足。食事に気を付けるだけでなく、歩くことを意識すること。嗜好(しこう)品である、たばこや過度の飲酒はやめた方がいい」と訴えた。

▽40歳から注意

 治療法は進行度に応じ、内視鏡手術や開腹手術、抗がん剤治療などで除去する方法などがあるという。

 また先月、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関が、加工肉や赤身肉が加工段階で発がん性につながる物質を生成すると発表した件について「世界と比べて、日本人の加工肉や赤身肉の摂取量は少ない。食事はバランスよく食べることが大事。食べ過ぎなければ問題はない」と話した。金城さんは「大腸がんは早期発見し、治療すれば生存率は約70%と高い。症状が出てからでも治る実例は多い。40歳を過ぎたら定期検診を受けてほしい」と呼び掛けた。