与那国、復興へ一丸-。沖縄セルラーパーク那覇で21日開幕した離島フェアに、台風21号で甚大な被害を受けた与那国島から13社・団体が出展している。廃業の危機や営業に支障を来すなどで一時は参加も危ぶまれたが、島外からの支援もあり参加を決意。与那国馬と長命草をあしらったおそろいの土産袋も作製した。復興への決意と感謝の気持ちも詰め込み、島をアピールしている。(大城大輔)

島の復興を誓い、おそろいの土産袋を用意してフェアに参加している与那国島の事業所メンバー=21日、沖縄セルラーパーク那覇

 島は、最大瞬間風速81・1メートルの猛威を振るった9月28日の台風21号で、全壊5戸、半壊23戸、一部損壊244戸の被害が出た。

 今回出展している事業所もほとんどが被災し、停電や断水、建物の損壊などで1カ月近く営業を再開できない業者もあった。町商工会によると、事業所全体で5千万円~1億円の被害があるという。

 離島フェアは島の事業所が最も楽しみにしている一大イベント。3年前から町商工会を中心にフェアに向けた勉強会を開き、ブランド力強化へ、のぼりをつくるなど毎年工夫を重ねてきた。

 しかし、台風から10日後の集まりは、各事業所とも営業もままならない状況で意気消沈。今年は出展できないのではないか-。そんな不安の声も漏れた。

 だが、島外のファンから「今年も絶対出てほしい」という激励の電話や町への義援金も相次ぎ、各事業所とも奮起。今年は統一の土産袋を3千枚用意した。

 製塩所の与那国海塩は、建物の鉄骨と窯だけが残り、あとは全部吹き飛ばされた。経営する伊藤典子さん(63)は廃業を決意したが、県外の知人を中心に70人以上から150万円超の支援金が届き、フェアの10日ほど前に再開を決意。来年の建物着工を目指している。伊藤さんは「支援には、やっぱり塩を作って応えるしかない」と意欲を見せる。

 酒造所の窓や鉄骨のドアが飛ばされるなど、計400万円の損害が出た崎元俊男代表代行(50)は「こういう時だからこそフェアで島をアピールして、損害金を取り返したい」と腕をまくる。事業所とともに勉強会を重ねきた町商工会の蔵盛希美さん(31)は「大変だったけど、たくさんの人に励まされたので、元気を返したい」と力を込めた。