沖縄県内36市町村の119番通報を一括して受け、管轄の各消防署や市町村に指令を出す「県消防指令センター」が嘉手納町のニライ消防本部内に設置され、10月から一部運用が始まっている。これまで各消防本部で119番対応に当たっていた指令員を現場対応に回すことが可能になり、消防体制の強化が期待されている。電波法の改正によるデジタル無線化や、高機能の設備を共同で整備することで各市町村の財政負担を低減する狙いもある。(仲間勇哉、大城大輔)

10月に一部運用が始まった県消防指令センター=嘉手納町屋良・ニライ消防本部

 県内18消防本部中14消防本部と、離島の伊江村や渡嘉敷村など消防本部がない12の「非常備町村」が参加。現在は、ニライ消防本部など5消防本部と離島12町村の119番通報がすでに切り替わっている。

 残りの9消防本部も順次切り替え、来年4月1日から本格運用する。約83万県民に対応する。119番方法は変わらないが、通報の際は市町村名から伝える必要がある。

 那覇、沖縄、浦添、本部、今帰仁の5市町村は独自にデジタル無線化したなどの理由で参加していない。

 県によると、これまでは各消防本部で1日計97人が指令員として対応に当たっていたが、指令センターの導入で27人に減らすことができる。

 衛星利用測位システム(GPS)機能を備え、通報者からの場所と内容を確認し、管轄の消防本部に伝える。各消防本部の車両の稼働体制も一目で把握できる。最大18回線を持ち、台風などの災害時にも回線が混線することはないという。

 非常備町村はこれまで、町村職員が119番を受けていたが、専門知識があるセンターを通すことで、救急対応や避難方法などの指導が可能になる。

 城間満局長兼センター長は「情報を一元化することで、大災害時の周辺本部への応援連絡もスムーズになる。離島の医療格差も縮められる」と話した。