ことし、沖縄から2人の高校生起業家が誕生した。昭和薬科大付属高1年の仲田洋子さん(16)と同高2年の下村光彦さん(17)だ。仲田さんはコンテンツ制作、下村さんはソフトウエア開発などを手掛ける会社を立ち上げた。ITを駆使し、沖縄や社会の課題をビジネスで解決するため、チャレンジ中だ。(デジタル部・與那覇里子)

ウェブサイト「ロールモデルオキナワ」を運営する仲田洋子さん=那覇市久茂地・沖縄タイムス社

ジェントリズムを起業した下村光彦さん=浦添市内

ウェブサイト「ロールモデルオキナワ」を運営する仲田洋子さん=那覇市久茂地・沖縄タイムス社 ジェントリズムを起業した下村光彦さん=浦添市内

 2人は昨年、県内のIT企業などが中心となって運営する人材育成プログラム「Ryukyufrogs(琉球フロッグス)」に参加。米シリコンバレーではIT企業を訪問し、最先端の技術を開発するエンジニアらと話す機会に恵まれた。

■中高生に職業選択肢紹介 カッシーニ社 仲田洋子さん

 「世界との距離が近くなった気がした」と仲田さんはサイト制作に取り組み始めた。下村さんは「生き生き仕事をしている姿に感動した」と、目指す職業が医師からエンジニアに変わった。

 仲田さんはことし4月、サイトのアイデアがITプログラム教育などを手掛けるライフイズテック社主催のオーディションで賞を受賞。同社の出資を受けて5月、「カッシーニ株式会社」を起業した。現在、沖縄の中高生にさまざまな職業の選択肢を提供するサイト「ロールモデルオキナワ」を運営している。

 仲田さんは「沖縄は低賃金や離職率の高さといった課題があるが、IT企業などさまざまな会社が進出してきている。チャンスがあることを伝えたい。沖縄を元気にしたい」と話す。

■買い物代行 余裕を「提供」 ジェントリズム社 下村光彦さん

 下村さんは、開発に取り組んでいる買い物代行サービス「Buyby(バイバイ)」の信用度を上げるため、9月に株式会社「ジェントリズム」の立ち上げに踏み切った。中学3年で自ら制作したメモアプリの売り上げを設立資金にした。ビジョンに「日々の生活に潜む非効率な物事を最適化すること」を掲げている。

 「誰かを幸せにするために働いていきたい。弊社のサービスを一人でも多くのお客さまに利用していただき、少しでも生活に余裕が生まれてほしい」と独学で習得したプログラムを日々組んでいる。

 2人が仕事に打ち込むのは学校が終わってから。学業を怠らないのが信念だ。下村さんは「仕事を理由に勉強から逃げる者は仕事からも逃げる」ときっぱり。大学進学も目指している。

 学業とビジネス。二足のわらじを履く若いリーダーの活躍に注目が集まる。