放課後の小学生を預かる学童保育の本土との格差解消を目的に、一括交付金を使って学校の敷地内などに放課後児童クラブ(学童クラブ)の施設整備を支援する沖縄県の事業が、目標の半数に満たず、大幅に遅れている。県は沖縄21世紀ビジョン基本計画で2012年度からの10年間に、計100カ所の整備目標を掲げるが完了は15カ所のみ。計画がある27カ所を含めても42カ所にとどまる。18年度の一括交付金は全体で減額となったが、県はこの事業の予算を増額し、学童クラブの実施主体である市町村の利用を促す。

公的施設利用学童クラブ整備率

 学童クラブのうち、市町村が整備した施設を利用する公設クラブは全国で81・5%なのに対し、県内は28・5%。民家やアパートを利用する民設クラブには家賃負担があり、県内は保護者の支払う利用料が割高な要因になっている。外遊びの場所や男女別のトイレがないなど保育環境の課題も大きい。

 また県内の待機児童数は右肩上がりで増えており、17年度は848人で、5年前の4倍。目標通り100カ所整備できれば、約4千人分の定員増となる。

 同事業は市町村が学童クラブ施設を造る場合、事業費の10分の9を国・県が補助する。補助上限があり、合築(校舎などとの一体整備)は5千万円、単独施設は3千万円。

 1月現在、整備済みまたは計画があるのは、国の放課後児童健全育成事業を実施する27市町村のうち12市町村。南城市は同事業を利用して市内九つの小学校区のうち、久高島を除く8校区にクラブを造る。

 西原町と与那原町は一つも公設クラブがないが、整備計画はない。整備率が10%の石垣市も未計画だ。

 県子育て支援課の担当者は「学童保育の必要性や市町村の責任に対する意識に差がある」と指摘する。

 計画のない市町村は「財源がない」「維持費がかかる」「場所がない」などを理由に挙げている。県は来年度、単独施設の補助上限を1千万円増やし、4千万円まで引き上げる方針だ。

 実施期間は残り4年。計画から工事完了には2~3年かかる。県の担当者は「学童保育の質向上のためにも意義の大きな事業。市町村には早く取り組んでほしい」と話した。(学芸部・高崎園子)