沖縄県は24日、県議会11月定例会に向けた与党会派との意見交換の場で、名護市辺野古の新基地建設をめぐり、翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しの効力を停止した石井啓一国土交通相の決定を違法として、定例会中に抗告訴訟を提起するための議案を追加する考えを伝えた。国交相の決定の取り消しを求める。定例会は25日開会する。

空撮 名護市辺野古の大浦湾=2015年7月2日(本社チャーターヘリから金城健太撮影)

■県議会与党に提訴説明

 県は同時に、判決が出るまで決定の執行停止を求める。裁判所が県の訴えに「緊急性」を認めれば、判決が出るまで決定の効力を停止し、逆に知事の承認取り消しの効力が戻る。沖縄防衛局は再び新基地建設の工事を中断しなければならない状態になる。

 政府と県は、知事の承認取り消しに関して、代執行訴訟などで争っている。一方、国交相の決定を根拠に防衛局は工事を進めている。県は決定の効力を停止することで、工事を止める狙いがある。

 行政事件訴訟法では、県が国を相手に抗告訴訟を提起できるという法律上の明文はない。

 さらに国交相の決定の根拠となる行政不服審査法の43条で「裁決は関係行政庁を拘束する」と規定。決定も同様で、今回のケースで県が国交相の決定の取り消しを求める訴訟は、原則的に提起できないと解釈するのが一般的だ。

 一方、2000年4月の改正地方自治法の施行で国と地方の関係が「上下・主従」から「対等・協力」に変わったことから、国の裁決や決定を優位とする条文は時代にそぐわないという見方がある。

 また、国民救済を目的とする行審法に基づき、防衛局が「私人」の立場で申し立て、国交相がそれを認め、決定したことは違法であることを理由に、県は抗告訴訟の対象となる可能性を探ってきた。

 地方自治法96条では、地方自治体が取り消し訴訟などの行訴法に基づく抗告訴訟を提起する場合、議会の議決を必要としている。