1日ねこ館長を務める、津覇にゃんにゃん丸さん。

 2月22日は猫の日だ。

 「にゃんにゃんにゃん」という猫の鳴き声と、日本語の「222(ににに)」という語呂合わせから、「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日を」という思いを込めて、1987年に猫の日実行委員会とペットフード協会が制定したという。世界各国にも猫の日はあって、日にちはそれぞれ違うのであります。

■沖縄の猫って…

 私が幼いころは道を歩けばたくさんの猫とすれ違い、実家では母が餌付けをした猫が自由に出入りしていた。その後、県外で暮らしてみると外で猫を見かけることはほとんどなかった。猫が多いのは、「沖縄の土地柄?」と何となく思っていた。

街で見かけた猫たち。なかなか、こちらを向いてくれない…
とあるお家の飼い猫たち。結構、こっちを向いてくれる

 数年前に沖縄へ戻り、いま暮らすアパートはペット不可だ。大家さんには「カメレオンもダメだから」と何度も念を押され、隣の部屋に住むおじいさんは、廊下で猫の鳴き声がしただけで私に「猫を飼ってないよね?」といちいち確認をしてくるほどの猫嫌いのよう。「猫には世知辛い世の中なんだな」と、つくづく実感したのは記憶に新しい。

街で生きる猫たち。目が合いました!

 そのうち猫を保護する人たちと知り合い、沖縄の猫のために考え、活動している友達もできた。もう少し沖縄の現状を踏み込んでみたいと思いは募り、「猫の日」をきっかけに行動すること決めた。

 まずは、その日に県立図書館で保護猫代表として「1日館長」を務める津覇にゃんにゃん丸さんにあいさつしよう。にゃんにゃん丸さんが暮らす、第一牧志公設市場近くにある津覇商店を訪ねた。

■看板「猫」にニャりました♪

 にゃんにゃん丸さんは生後2か月のとき、那覇市内の駐車場で鳴き続けていたところを津覇綾子さんの友人が保護。しかし、その友人のマンションはペットが飼えず、津覇さん宅へやってきた。

保護された当時のにゃんにゃん丸さん
生後2ヶ月くらいとみられる…

 津覇さんが店主を務める和食器と和雑貨を扱う津覇商店での暮らしに慣れ、今ではすっかり津覇商店の「平社員」として店番をしている。店番のときには、ハーネスを付けているので外に飛び出したりすることも、店内を走り回ることもない。そのおっとりした性格も手伝って、穏やかにたたずむ姿に道行く人たちも自然と笑顔になり、店内へといざなわれる。

レジカウンターで仕事に励むにゃんにゃん丸さん
客商売は身だしなみから…マナーにも気を配ります

 器と器の間を静かに通り抜け、しっかり目を見て接客をこなすにゃんにゃん丸さん。時には、ぐるりとお客さんに囲まれることもあるが、まだ津覇商店に来て8カ月とは思えないほど、堂々としていて貫禄も漂っている。

今日もお客さまに囲まれ、人気者ぶりがうかがえる
昼寝から戻ったばかりのにゃんにゃん丸さん

 そのにゃんにゃん丸さんが「猫の日」に県立図書館で1日館長となり、普段はなかなか見ることのできない図書館のバックヤードを参加者と一緒に巡るという。定員は10人、無料で参加できるイベントだ。

移転のため、与儀での開館は3月末までの県立図書館。

 他にも、にゃんにゃん丸さんに着けられたマイクロチップの読み取り体験や、飼い主のいない猫のTNR活動(捕獲して不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す)と、その啓発活動を行っている琉球わんにゃんゆいまーるの「さくら猫・TNRってにゃんだ!?」展、猫に関する本の展示もある。

 【TNR関連記事】野良猫、殺処分ゼロへ 那覇市が不妊手術に本腰 「捕獲→手術→元の住処に返す」で猫にも配慮(2017年6月)

 私もにゃんにゃん丸さんを通して、保護猫と暮らすことや沖縄の猫の現状を考えたいという思いからイベントに密着します。

■なでてほしいニャー!

人懐っこくて、なでられるのが大好きなボクちゃん。

 にゃんにゃん丸さんの日常をのぞいた帰り道、浮島通りにある、アメリカンヴィンテージの古着や小物を扱うお店・ANKH(アンク)を訪ねた。このお店にも4匹の保護猫たちが暮らしている。

奥からトラちゃん、ジンくん、テンちゃんのトラちゃん一家。人見知りなのか、なかなか触らせてくれない

 8年前に母猫のトラちゃんが大きなおなかで現れて、テンちゃんとジンくんが産まれた。ANKH店長の田阪佐登子さんに保護されて一家で住み込み、昼は「平社員」として勤め、夜は「警備員」として店を守っている。人見知りもあり、ふだんはなかなか近くでお目にかかれないトラちゃん一家だが、少し寒さが戻った旧正月(2月16日)は家族で丸まって暖を取り眠る姿を間近で見ることができた。

6歳のボクちゃん。ベテランの風格が漂います

 そんなトラちゃん一家から、少し距離を置いた店内奥にあるレジカウンターの上に、ひとり、もとい1匹の猫の姿があった。名をボクちゃんと言い、ANKHの「住み込み平社員」として勤続6年目になる。誰よりも人懐こいボクちゃんは、なでるとゴロゴロと喉を鳴らして応えてくれる。先輩のテンちゃん、ジンくんと母猫トラちゃんとはあまり相性はよくないようだが…。

お会計を済ませたお客さんを、見送るまでが仕事です

 トラちゃん一家はショーウインドー付近でその愛くるしい姿でお客さんの足を止め、ボクちゃんはレジで接客。それぞれの持ち場でANKHのカラフルな服とともに愛されて暮らしている。

■1日館長に会いに行こう

にゃんにゃん丸さん、22日、楽しみにしていますね。

 きょう、会うことのできた猫たちは、津覇さんや田阪さんと偶然とはいえ、出会えたことから保護され幸せな猫生を送っている。家族として一緒に最期のときまで生きるには、病気もするし、えさ代もかかる。かわいいだけではないその先があるのだ。

 道ばたですれ違う猫たちの向こうにある現実を、今回イベントを企画した県立図書館の職員さんの思いとともに、「猫の日」に後編としてお届けする。