私らしく、はたらく(7)吉戸三貴

 働く女性向けのコミュニケーション研修で講師を務めた際、こんなご質問をいただきました。「頑張っているのに評価してもらえません。どうしたらいいですか?」。この質問には二つの要素が含まれています。一つは、頑張っている(と思っている)こと。もう一つは、正しく評価されていない(と感じている)ことです。問題を解決するには分けて考える必要があります。

 まず頑張りについて。手を抜かず一生懸命やっているとしたら、努力している分野が会社の期待とずれている可能性があります。上司はあなたに新人教育をしてほしいと思っているのに、得意な接客ばかりに注力していたら、どんなに頑張っても認められにくいでしょう。

 会社ではおのおのに求められる役割があり、結果を出すためには自分がしたいことだけではなく、期待されていることに応える必要があります。それが何か分からない場合は面談などで上司に素直に聞くのもよいでしょう。「課に貢献したいのでこれから取り組む課題についてアドバイスをいただけませんか」のように尋ねれば意欲が伝わりますし、適切な助言がもらえるかもしれません。

 次に評価について。本人が実感できていないだけというケースもありますが、今回は、会社が求める役割を十分に果たしているのに評価されないという前提で整理します。考えられる原因のひとつは、評価者とのコミュニケーション不足です。仕事の報告を「したつもり」になっていませんか。忙しい上司が理解してくれるよう、要点をまとめてタイミングよく伝える工夫をしてみましょう。会議でもポイントを絞って論理的に意見を言うなどプレゼンテーション力を上げると評価されやすくなります。

 成果をアピールすることに苦手意識があるなら、まずは、TPOに合わせたきちんとした格好で見た目の印象を変える工夫をしてみたり、評価されている同僚の行動を観察して良いところをまねしたりするところから始めるのも一案です。

 「こんなに頑張っているのに、どうして認めてくれないの!」。そう感じたら、少しだけ視野を広げて、努力する分野や上司とのコミュニケーションを見直してみませんか。不満を抱えて働き続けるよりもストレスをためずにすみますし、行動を変えることで少しずつ結果も変わってくると思います。(コミュニケーションスタイリスト)