名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認取り消しを違法として、政府が翁長雄志知事を相手に起こした代執行訴訟で、県側が翁長知事の当事者尋問と、稲嶺進名護市長ら10人ほどの証人尋問を裁判所に申し出る方針を固めたことが分かった。地元の代表や環境、安全保障の専門家の意見を取り入れ、県側の主張を補強する狙いがある。関係者によると、稲嶺市長は裁判所が認めれば出廷する方針を固めている。

稲嶺進市長

 県は稲嶺市長のほか、元宜野湾市長の伊波洋一氏、県環境影響評価審査会長の宮城邦治氏、沖縄タイムス元論説委員の屋良朝博氏らを想定している。裁判所が採用した場合、県側と政府側の双方が尋問する。

 県は27日、翁長知事の承認取り消しの正当性を説明する準備書面を裁判所に提出する。政府の訴状に対する認否や反論を中心とした「答弁書」と、県側の主張を盛り込んだ「準備書面」3通を予定している。

 準備書面は口頭弁論を前に主張を整理し、争点を明確にする手続きの一つ。

 県側は普天間飛行場を辺野古へ移設しなければならない理由が乏しい一方、ジュゴンなど貴重な動植物の生息する大浦湾を埋め立てる損失は大きく、基地負担や他の都道府県との不平等の固定化など新基地建設による不利益を強調する。(福元大輔)