名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の取り消しを違法として、国が翁長雄志知事を相手に起こした代執行訴訟で、沖縄県側は27日午後、答弁書と準備書面を福岡高裁那覇支部に提出した。県側は、国の訴えについて、他の是正措置が困難な場合に限って認められる代執行手続きの要件を満たしていないと指摘。法の乱用だとして却下などを求めている。第1回口頭弁論は12月2日、高裁那覇支部である。

福岡高裁那覇支部

 翁長知事は第1回弁論で意見陳述する内容を自ら書き上げている。沖縄の歴史や基地の過重負担、米海兵隊が沖縄に駐留しなければならないという具体的な理由が乏しいことなどを強調する見通しだ。

 県側の答弁書では、取り消しの効力を止めた沖縄防衛局の審査請求は、国民の権利・利益を守る行政不服審査法の趣旨に反すると指摘。全国の行政法学者などが請求を不適法だと批判しているにもかかわらず、国側は審査請求についてこれまで「合理的な説明をしていない」と批判している。

 準備書面では国側が引用する1968年の最高裁判決などの判断枠組みは、国と県の機関訴訟である本件に当てはまらないと指摘。新基地建設強行は、沖縄県の自治権を侵害して違憲だと主張している。

 国側は訴状で、辺野古への移設で普天間飛行場の危険性除去や日米間の信頼の維持につながるなど公益性が高いと指摘。他人に利益をもたらす行政処分(受益的処分)では、法律的な瑕疵(かし)の有無にかかわらず、取り消しできないとして、知事の取り消しを違法と主張している。