9秒でまるわかり!

  • 防衛省が名護市の「久辺3区」に直接補助金を交付する枠組みを新設
  • 辺野古新基地建設に反対する名護市を介さずに上限3900万円を交付
  • スポーツ大会など日米交流や防犯灯設置、集会所の改修などが対象

 【東京】防衛省は27日、米軍普天間飛行場返還に伴う新基地建設現場に近い名護市の辺野古、豊原、久志の「久辺3区」へ直接補助金を交付する新たな枠組みを創設した。2015年度から交付を開始し、初年度は各区1300万円、計3900万円を上限に交付する。防衛省は3区からの事業申請を受け、早ければ年内にも交付を開始する。新基地建設に反対する名護市を介さず頭越しに支援する異例の措置。辺野古に反対する稲嶺進市長や県をけん制する狙いもあり、県内から強い反発が上がっている。

再編関連特別地域支援事業補助金 補助対象と対象事業

 事業の名称は「再編関連特別地域支援事業補助金」。交付のための特別な法律は制定せず、在日米軍等駐留関連経費から予算措置として支出する。補助率は100%。

 補助対象は米軍再編で「航空機40機、人員千人以上増える施設が所在する地域の地縁団体(自治会)」としており事実上、久辺3区のみを対象に設定した。補助対象は日米交流に関する事業など3事業。具体的には米軍との交流を目的にしたスポーツ大会や集会所の補修、改修などとしている。

 事業は次年度以降も継続する。上限額は防衛相が通達で定めることができるため次年度以降は引き上げることも可能。防衛省は「3区の今後の要請を踏まえて判断する」としている。

 菅義偉官房長官は27日の会見で「辺野古移設を進める上で最も影響を受ける久辺3区の生活環境の保全、向上のためにできる限りの配慮が必要だ」と述べ、振興策の必要性を強調した。

 政府は久辺3区へ直接交付金を支給するため懇談会を開催して地域の要望を聞いてきた。10月に首相官邸であった2回目の懇談会で3区は防災備蓄倉庫や集会所の整備、芝刈り機の購入などを要望。菅氏は振興費を直接交付する方針を伝達し、防衛省が具体策を検討していた。

 一方、辺野古区の嘉陽宗克区長と久志区の宮里武継区長は菅氏の「地元は(辺野古移設に)条件付き賛成」との認識を否定しているほか、久志区は受け取りの可否で賛否が割れているなど、3区の認識は一致していない。

■名護市長「分断工作」

 稲嶺進名護市長の話 地方自治をないがしろにしている。この地域だけが対象となると、(市と住民の)分断工作で、アメとムチの最たる形だ。全国でこの地域だけを対象にしたと考えると、補助金として交付するのは妥当なのか理解を超える。条件付き容認に3区が相当するのか、とても疑問に思う。