那覇市若狭で波之上写真館を営む大城実さん(54)がことし、「肖像写真デジタル作業」の1級技能士検定に県内で初めて合格した。来年で創業60年を迎える老舗の3代目。時代はフィルムからデジタルへ様変わりし、技術は日進月歩だが「これからも勉強を怠らず、100年まで続ける気持ちで頑張りたい」とさらなる高みを見据える。(新垣綾子)

自ら撮影した七五三の家族写真などの前で笑顔を見せる大城実さん=那覇市若狭・波之上写真館

 検定の受験勉強は1月ごろから始め、9月に写真の歴史や知識を問う学科試験やモデルを手配しての実技に臨んだ。フィルム写真では県内にも約80人の1級技能士がいるが、デジタルの合格は初。「実技は普段の仕事の延長だが、学科を一発でクリアできるとは思わなかった。合格者はこれからどんどん増えるだろうけど、ことしだけは『県内唯一の1級』と自慢できるかも」と笑った。

 写真館は昨年82歳で亡くなった父勝一さんが、1956年に立ち上げた。元知事の故西銘順治氏や、社大党委員長などを歴任した故安里積千代氏。店内には勝一さんの「作品」も多く「特に西銘さんは、おやじの写真を気に入り、プロフィルなどによく使っていたそうです」。

 かつてはビデオ制作も手掛けていたが、やがて写真一本に。2代目の兄信さん(57)の体調不良などもあり、5年ほど前に店の経営を引き継いだ。「デジタルは日々進歩していて、独学と若い業界仲間との勉強会などで腕を磨いてきた」と話す。

 個人経営の写真館が経営難などで減っていく中、きめ細かなサービスや根強いリピーターに支えられ踏ん張ってきた。「正月にはおやじの代から40年、足を運んでくれる家族もいる。それはきのう、きょう始めたところにはない強みじゃないかな」と胸を張る。「時がたつほど価値を持つのが写真。これからも長い年月に耐えられる、質の高い写真を撮り続けたい」