ニューヨークに沖縄伝統芸能文化が連鎖的に押し寄せ、沖縄ブームの雰囲気を漂わせた。「琉球王朝から継承される食や空手、紅型など多彩な魅力を紹介」と題して、沖縄県がニューヨークで伝統文化の体験イベントを開催した。

四つ竹の音色に魅了されたアルゼンチン出身のダリア・レモスさん(中列右)と琉舞を披露したメンバー

 沖縄がアジアにある島とか、日本に近い場所とか、ましてや日本の一部だと知っている人たちもいるが、どちらかといえば知らない米国人が多いといっても過言ではない。つまり無関心な人たちがかなりいて、残念ながらそれはここに住んでいるウチナーンチュたちにもいる。刹那主義の多い米国人だが、ニューヨークは国際的で文化人が多いともいわれている。

 それでもやはり米国で一般に沖縄の存在は米軍基地や戦争で知られているので「それ以外に別の面があるのだ!」と沖縄への理解と認知度を高める必要性がある。県のアピールと同様、現地に長年在住しているわれわれウチナーンチュたちは常日頃そう痛感している。県がニューヨークを選んだのは命中である。なぜなら国際的なニューヨークは沖縄文化を波紋のように世界へも発信できるからである。

 NYC在のJapan Societyが9月から始めたシリーズ“Okinawan Vibes”。沖縄についてこの多人種文化のルツボNYCで発信。9月の県立芸大の関係者らの生の琉球舞踊は爆発的人気を得た。沖縄本島の往復がNYCから私の家までの片道だが、帰宅中には毎週どこかで琉舞を見に行きたいと思いながら運転した。

 このシリーズは11月からは沖縄県との共催で行われた。1日には米国の習慣ハロウィーンにちなんで、家族対象プログラムが行われ、キジムナーも登場し、沖縄の習慣・文化・自然も紹介され、子供たちに大好評だった。

 3日の晩には琉球料理専門家・栄養学者の尚弘子氏(84)が沖縄の長寿の秘訣(ひけつ)の豚肉・海草・野菜の料理法を英語で解説。ユーモアも混ぜて会場を楽しませた。沖縄文化の多様性を語った沖縄観光コンベンションビューローの嘉手苅孝夫氏、ニューヨーク在のテキスタイル芸術家の謝敷宏氏らも英語でトークショーを盛り上げた。講演に続いて試食会が別の部屋で行われた。「じーまみーとうふ」「すぬい」(もずく酢)「ラフテー」等が使い捨ての上品な弁当箱に盛られ会場全員に試食・紹介された。会場は260人で満員だった。

 8日の「紅型」ワークショップでは、沖縄から3人の講師が来て、「型彫り」と「染め」の体験が行われた。米国では貴重な経験だ。休憩時間には、サーターアンダギーも振る舞われた。

 NYC在の日本協会での9月から11月8日までの沖縄伝統文化の紹介とワークショップも大盛況に終わった。県知事公室広報交流課のスタッフを中心に打ち合わせや重々なる確認でスムーズに企画は運ばれた。その期間中の参加者や見学者は約1500人で次回開催の要望の声が多数あったとの報告だった。

 沖縄独特の伝統文化は、幅と深みに富んでいる。県とジャパン・ソサエティ共催の沖縄文化を紹介する企画を体験したほんの一部を記した。(てい子与那覇トゥーシー通信員)