【那覇】琉球大学の学生たちが那覇市の第一牧志公設市場をテーマにしたドキュメンタリーを制作している。市場の事業者や若者らへのインタビューなどを通し、今後の市場のあり方について考える。2016年1月までに15~20分間の作品を完成させ、学内での発表のほか、県外での映像祭にも出品する予定だ。(我喜屋あかね)

公設市場関係者らが議論する様子を撮影する(左から)宮里侑希さん、新田いずみさん、中須賀章人さん=那覇市・第一牧志公設市場

 制作メンバーは新田いずみさん(22)、中須賀章人さん(22)、川上恭平さん(21)、宮里侑希さん(21)の4人。法文学部でマスコミ学コースを専攻しており、授業の実習の一環。同級生らが「子ども食堂」や「ヤギ料理」などをテーマにするなか、市場の再整備事業を知った。宮里さんは「移転するかもと聞き、『本当に?』って。そこから話を聞き始めた」と振り返る。

 12日から撮影や取材をはじめた学生たち。学校から支給されたビデオカメラや三脚を手に公設市場内や周辺通りを歩く。ガーブ川中央商店街組合が主催する写真展では、戦後に撮影されたモノクロ写真を前に事務局の平良鈴子さんから説明を受けた。また、ガーブ川の水上店舗の建設当時を知る同組合の大城盛仁会長にも取材し、市場や那覇のマチグヮーの歴史を学んだ。

 事業者の市場への熱い思いを捉えようと、24日には新田さん、中須賀さん、宮里さんの3人で不定期で開催される市場研究会を取材した。研究会の議論内容は、再整備事業に関連し、市から提供された市場の収支報告書や、指定管理者制度など、多岐にわたる。再整備事業に向けて、事業者としてどう関わっていくべきかを真剣に話し合う事業者ら表情をカメラで追った。

 撮影担当はメンバー全員。互いにカメラを渡しながら、腰の位置で構えたり、三脚を使って頭よりも高い場所から撮るなどして工夫を凝らした。残りの2人は会話内容をノートに記録した。

 「市場の現状や歴史を振り返りながら、印象に残る作品にしたい」と中須賀さん。これまで取材を通して「駐車場がない」など、事業者の懸念の声も聞いた。観光客が客層の中心となるなか、宮里さんは「組合もたくさんのことに取り組んでいる。いろんな人の視点を入れていきたい」と話す。新田さんは「市場の役割って今後どうなるのか。これからどうやって発展させていくのか考えたい」と完成に向け、気合を入れた。