手元に「星苑」という高校文芸誌がある。A5判で66ページ、発行者は「宮古高校定時制文藝部」。発行されたのは1958年、沖縄戦が終わって13年しかたっていない時期だ

▼掲載されているのは小説や短歌、エッセーなど。戦死した兄のことを書いた詩もあり、時代を感じさせる。昼間働きながら学業に励み、情熱を込めてつづられた作品が誌面を飾る

▼22日に那覇市で開かれた県高校文芸誌コンクールで、時代がたった今も創作にかける若者の思いに変わりがない事を実感した。「色」や「沖縄」などテーマを絞って編集した学校や、書きたい気持ちを凝縮した学校など9校の文芸誌が集まった

▼掲載作品も異世界を舞台にしたファンタジー小説から硬質な言葉遣いが光る詩までさまざま。何より感心したのは生徒たちの熱意だ。最優秀賞を受賞した首里高の部員からは歓声が上がり、感極まって涙ぐむ子も

▼審査員を務めた俳句や短歌、小説の実作者やプロの編集者との交流会もあった。高校生からは「作品の評価を聞かせてほしい」「レイアウトのポイントは?」と質問が相次いだ

▼片付け終了後も審査員を囲んだり、他校と話が弾んだりして創作談義が続いた。会場の外は北風が吹き、小雨交じりの空模様だったが、高校生からもらった余熱のおかげだろうか、寒さも感じず帰路についた。(玉城淳)