社説

社説[米軍ヘリ学校上空飛行]「沖縄は植民地ではない」

2018年2月25日 08:59

 米軍普天間飛行場を離陸した海軍のMH60ヘリが、隣接する普天間第二小学校の上空を飛行した。

 昨年12月に起きたCH53E

大型ヘリの窓落下事故を受け、日米両政府は、学校上空の飛行を「最大限、可能な限り避ける」と合意したばかり。米側は飛行事実を認め、日本側に遺憾の意を伝えた。

 その一方で、普天間飛行場の所属機ではなく、学校上空を飛ばないという合意を知らなかった、とも報じられている。そんなことが違反の理由になるというのだから、あぜんとせざるを得ない。

 裏を返せば、合意そのものがその場しのぎで、各軍への周知徹底すら行われない、実効性の乏しい内容だったということにほかならない。

 普天間第二小の多和田一美教諭は本紙に寄せた手記で指摘している(1月13日付)。

 「私たち学校職員には何ができるのだろう。皆で悩み考えた。何よりも大切な子どもたちの命を守るためにどうすればよいのか。それから毎日のように会議や保護者会。学期末の時期と重なり心身共に疲弊していった」  

 同小PTA会は1月15日、

沖縄防衛局を訪れ、保護者の不安を取り除いて欲しい、と6項目を要請した。

 米海兵隊のヘリ3機が同校上空を編隊飛行した、と防衛省が明らかにしたのは1月18日のことである。米軍はこの事実を認めていない。日米の主張は対立したままだ。

 子どもたちや父母が受けた事故の衝撃は大きい。不安をぬぐえないでいる折も折、再び上空飛行が明らかになったのである。

■    ■

 問題は普天間第二小だけに限らない。今年に入ってから、1月6日にうるま市・伊計島、同8日に読谷村、同23日に渡名喜村に、相次いで米軍ヘリが不時着した。

 2月9日には、オスプレイの吸気口の部品(重さ約13キロ)が伊計島に漂着した。

 米軍機による事故やトラブルの発生頻度は、底が抜けたような異常さである。人身被害を伴う大きな事故の「予兆」ではないか、と多くの県民が不安を募らせ始めている。沖縄への被害の集中に有効な手を打つことのできない政府の責任は重い。

 沖縄県議会は21日、伊計島の浜辺でオスプレイの部品が見つかったことに対し、全会一致で抗議決議と意見書を可決した。

 「沖縄は植民地ではない」との文言は、県民の怒りのマグマを議会が受け止めた結果、というべきだろう。

■    ■

 県や県議会が今、成すべきことは何か。

 全会一致で決議した「普天間飛行場の即時運用停止」や「米海兵隊の早期の国外・県外移転」を選挙目当ての決議に終わらせることなく、実現に向けて全力を挙げて取り組むことだ。

 沖縄は今なお、憲法や地方自治法よりも地位協定と関連取り決めが優先される、日本の中の「例外地域」になっている。

 基地をめぐる構造的差別の固定化は、回り回って日本の安全保障体制を不安定化させるほかないだろう。

これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地
沖縄タイムス社編集局編
高文研
売り上げランキング: 24,236

あわせて読みたい

関連リンク

社説のバックナンバー

沖縄関連、今話題です(外部サイト)

JavaScriptをOnにしてください

アクセスランキング

ニュース 解説・コラム