テニスの世界的な名プレーヤーで、現在は錦織圭選手のコーチとして知られるマイケル・チャンさん(43)が1日、那覇市のオリブ山病院で講演し「スポーツは人々を一つにする手段。地位や名誉や富のためではなく、他人を励まし、インパクトを与える選手になることが重要だ」と自らの信念を熱っぽく語った。同病院を運営する特定医療法人葦の会の職員ら約300人が聴き入った。

錦織圭選手の特注ラケットを手に講演するマイケル・チャンさん=1日夕、那覇市首里石嶺町

 葦の会の招きで、初めて沖縄を訪れたチャンさんは「沖縄の美しい景色を見るとリラックスできる。錦織選手の練習場所は主に東京や米国フロリダ州だが、沖縄も最適だと思った」と感想。1年の半分以上を一緒に過ごす錦織選手については「私が家族を遠征に同行させたいと言うと、1秒でオッケーと言った。非常に子ども好きで、私の子どもたちといつもじゃれ合っている」と明かした。

 四大大会の男子シングルスで、17歳3カ月の最年少優勝記録を樹立した1989年の全仏オープンの裏話も披露。足がけいれんした状態で、年上の世界王者を倒したことに「勝ち負けではないという思いだった。神様が勝利を与えてくれた」と敬虔(けいけん)なクリスチャンの顔を見せた。さらに中国にルーツを持つ一人として、同じ89年に起きた天安門事件を「悲しい出来事」としつつ、「(自らの優勝が)世界中の中国系の人々に笑顔を与えられたと思う」と振り返った。

 講演会は2日にも沖縄市民会館であるが、既に満席という。