【名護】沖縄県名護市は1日、臨時職員と非常勤嘱託員に関する規則を一部改正し、産前産後休暇(産休)や育児休暇(育休)などの休暇制度を新たに設けた。任用期間内の産休や育休などが無給で認められる。(北部報道部・榮門琴音)

 名護市の臨時職員と非常勤嘱託員の休暇制度にはこれまで、産休と育休は定められていなかった。

 規則の一部改正で、産休と育休のほか、生後満1年内の子を育てる女性の育児時間休暇や生理日休暇も加わった。育児時間休暇は1回当たり30分以内、1日2回以内。男性の育休も想定している。

 総務省は昨年7月、全国自治体に産休・育休制度を適切に整備するよう通知していた。市の臨時職員・非常勤嘱託員は計507人(男性183人、女性324人)で、総数の約半数を占める。

 市人事行政課の担当者は「任用期間が6カ月と1年と短いこともあり、産休育休制度の運用が厳しい状況だったが、改正により意欲のある方々が働きやすくなる」と話している。

■離職回避へ「大きな一歩」

 沖縄県内11市のうち唯一、「非正規公務員」に対して産休、育休のいずれも認めていなかった名護市が1日付で、産休・育休制度を整備した。例え無給でも、制度があるのとないのとでは「雲泥の差」(非正規公務員)。今回の制度化で出産を機に離職するケースは避けられることになり、非正規公務員が多く加入する自治労連県事務所の長尾健治委員長は「大きな一歩だ」と受け止める。

 県内自治体の非正規公務員で子育て中の女性は「制度さえあれば辞めなくてすむ。名護市の動きが他自治体に広がってほしい」と喜ぶ。いったん離職すれば、子どもを認可保育園に入園させる資格基準が下がってしまう。離職して5カ月たっても再就職できない場合は、認可に入園している上の子の退園を迫られる。

 こうした心配も、産休や育休の取得が可能になれば、「一度に解決する」というわけだ。

 無給でも産休などを取得すれば、産休期間は健康保険から「出産手当金」として賃金の6割、育休期間は子どもが1歳6カ月になるまで雇用保険から「給付金」として賃金の50~67%が保障されるようになる。

 本来、産休や育休の取得は、制度の有無に関わらず「法律要件を満たせば雇用主に請求できる」(沖縄労働局)。ただ、「公的な立場」にいる公務員は例外だ。

 正規公務員は公務員法などで産休・育休取得が保障されているが、非正規には適用されず、“法の狭間(はざま)”にいる。現状では、各自治体が条例で産休・育休制度を整備して対応する以外に非正規職員を救う道はなく、名護市の制度整備が「大きな一歩」と言われるゆえんだ。