「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(奄美・琉球)の世界自然遺産登録に向けて、環境省は26日、2016年12月に返還された米軍北部訓練場の大半を含む約3700ヘクタールの森林地帯を「やんばる国立公園」に編入する拡張案を発表した。中央環境審議会での議論を経て、7月にも正式に編入を決定する。

(資料写真)やんばるの森

やんばる国立公園の拡張案

(資料写真)やんばるの森 やんばる国立公園の拡張案

世界遺産へ一体保護

 やんばる国立公園には国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、絶滅の恐れがあるヤンバルクイナやノグチゲラなど多くの固有種がすむ。隣接する旧訓練場の区域も同様の自然環境が残るため、遺産化に向けて一体で保護する。ただ依然として、国内法に基づく規制の及ばない訓練場が遺産推薦区域に隣り合う状態は続く。

 編入する面積は、約9割(約3600ヘクタール)が返還跡地。この大半を、最も法規制が厳しく森林伐採などの現状変更が原則できない「特別保護地域」に指定する計画。拡張後の公園面積は約2万ヘクタールに広がり、特別保護地域も現行の789ヘクタールから3009ヘクタールに増える。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は6月24日から中東のバーレーンで世界遺産委員会を開き、国際自然保護連合(IUCN)の審査を踏まえて登録可否を議論する。拡張案の追加推薦は間に合わず、早ければ今夏の登録後の調整となる。

 環境省の担当者は「現地調査の感触だが、IUCN側は隣接する返還地の取り扱いに関心が高かった。将来的な保護担保措置が具体的になったのは登録の後押しになる」と語った。

 環境省は3月27日まで拡張案についてパブリックコメント(意見公募)を実施する。詳細は同省ホームページで。