絶滅危惧種のジュゴンが回遊する沖縄県今帰仁村沖の海中2カ所で不発弾が見つかり、保護団体が慎重な処理を要請している。うち1カ所について、今帰仁村は本年度中に処理する予定だったが、計画をいったん白紙に戻して方法を模索する。

エモンズ内部にある爆雷とみられる物体=2015年、今帰仁村古宇利島沖

不発弾発見場所

エモンズ内部にある爆雷とみられる物体=2015年、今帰仁村古宇利島沖 不発弾発見場所

 1カ所目は今帰仁村運天のウッパマビーチ沖合で、米国製3インチ砲弾が11発ある。海水浴客が2016年8月に発見し、役場に通報があった。

 もう1カ所は沖縄戦中、古宇利島の北側で沈んだ米軍掃海艇「エモンズ」。爆雷6発があり、17年1月に役場などに連絡があった。

 2カ所の周辺ではジュゴンがたびたび目撃されたり、はみ跡が確認されたりしている。ジュゴンネットワーク沖縄は17年12月、今帰仁村に対して不発弾を遠くに移動させてから爆破処理すること、事前にジュゴンや人がいないか航空機で周辺を確認することを要請した。

 細川太郎事務局長は「沖縄周辺で確認されているのは現在3頭のみ。戦後のダイナマイト漁で生息数を減らした苦い歴史を繰り返すわけにはいかない」と指摘。「陸上に回収できないか、あるいは現地保存の方法がないか、科学的に検討してほしい」と訴える。

 「エモンズ」はダイビングスポットとして人気がある。九州大と県内の水中考古学者の共同調査で、爆雷の存在が公になった。

 通報した県立埋蔵文化財センターの片桐千亜紀専門員は「エモンズは日本軍の特攻を受けた船で、戦争を語る貴重な遺跡。安全面との兼ね合いは難しいが、船自体を爆破することがないよう、じっくり検討してほしい」と要望する。

 エモンズは処理する前に船体の所有権などを確認する必要があり、今帰仁村はウッパマビーチ沖を優先する考え。担当者は「危険物をそのままにすることはできないが、現地処理以外の方法を検討したい」と説明。海上自衛隊沖縄基地隊に陸上処理が可能かどうか照会した。海自は「検討中」と話している。