歴史を語ることから始めなければいけないのか。辺野古代執行訴訟の翁長雄志知事の意見陳述を読んで思った。裁判で沖縄の歴史を説く必要があること自体に、本土との深い断絶を感じる

▼基地が沖縄のためになっている、という誤解や無理解をただすためには、琉球処分から沖縄戦・米軍統治・基地被害と長く犠牲を強いられてきた結果が、今あることを丁寧に伝えなければいけない

▼名護市の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で新基地建設に反対する市民について、兵庫県洲本市の市議が沖縄タイムスの公式フェイスブックに「鉄板の入った頑丈な靴で、思いっきりけとばせばいいんだよっ」と投稿していたことが問題になったばかり

▼権力による暴力や人の痛み・思いに鈍感で、品がないと感じられる非常に残念な書き込みだ。背景には沖縄への差別意識があるようにも見える

▼意見陳述で知事は「沖縄が日本に甘えているのでしょうか。日本が沖縄に甘えているのでしょうか」「沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるのでしょうか」と国民に問い掛けた

▼裁判官だけでなく内閣や議員を支持している多くの人々の胸に、知事の問いは届いただろうか。件の議員には、知事が裁判所に提出した長い陳述書をぜひ読んでいただきたいと思う。(安里真己)