【八重瀬】八重瀬町は1日、NPO法人沖縄鍾乳洞協会が町の戦跡・ヌヌマチガマに無断で設置した仕切り扉や展示物を撤去した。協会に対し、文書や口頭で再三撤去を求めていたが応じなかったための措置で、町は「所有権の侵害にあたる。入壕者の安全を考えて、町が土地を取得して管理しており、ガマの利用は指定管理者を通してほしい」と話した。

ヌヌマチガマ内に設置された扉を取り外す八重瀬町職員=1日、八重瀬町

 同日午前、糸満署員の立ち会いの下、役場職員ら7人が具志頭と新城の境界にあるガマに入り、協会が持ち込んだ薬きょうや茶わんなどの戦時遺品を移動し、鍵付きの木製扉を運び出した。

 ヌヌマチガマをめぐっては、町が2013年から戦争遺跡公園に向けた整備事業に着手。一括交付金を活用して用地の半分を取得し、駐車場やトイレを新設した。ことし7月から指定管理者制度でNPO法人自然体験学校に委託し、入壕者から300円の保険料を徴収している。

 これに対し、沖縄鍾乳洞協会は10月上旬、ヌヌマチガマを平和学習の場として活用するため、木製の扉や展示物を設置。その後、見学に訪れた約100人を案内したという。同協会理事の松永光雄さんは「ガマの清掃を続け、平和学習の場として活用してきた地元の人に十分な説明もなく、町は指定管理者制度を始めた。(町のやり方は)納得できない」と述べた。

 全長約500メートルのガマは、沖縄戦時中、日本陸軍の野戦病院だった。病院閉鎖にともない、多くの重病患者が殺害されたといわれている。