■菅官房長官「行政判断示されている」

記者会見する菅官房長官=2日午前、首相官邸

新基地建設に伴う代執行訴訟の第1回口頭弁論を受け、取材に応じる稲嶺進名護市長=2日、名護市役所

記者会見する菅官房長官=2日午前、首相官邸 新基地建設に伴う代執行訴訟の第1回口頭弁論を受け、取材に応じる稲嶺進名護市長=2日、名護市役所

 【東京】菅義偉官房長官は2日の会見で、翁長雄志知事が代執行訴訟の口頭弁論で「日本に地方自治や民主主義は存在するのか」などと政府を批判したことに対し、「普天間問題では原点が違った。行政の判断は示されており工事は進める」と述べ、全面的に対決する姿勢を見せた。

 菅氏は、県と法廷闘争になったことは「極めて残念だ」と述べた。一方、これまでの県側との対話を振り返り、「翁長知事は問題の原点を終戦後の占領期までさかのぼっており、話し合う余地はなかった」と強調。仲井真弘多前知事による承認の法的正当性を主張し、「民主国家としての手続きはしっかりした」と翁長氏に反論した。

 翁長氏が辺野古新基地完成まで長期間、普天間の危険性を放置することは「固定化そのものだ」と訴えたことに対しては、「全く当たらない」と否定。岩国基地への空中給油機の移駐など政府は負担軽減に努力していると主張した。

 政府が県に約束した普天間の5年以内の運用停止は、普天間から常駐機がなくなることとの認識を示しつつ、実現は「沖縄側の協力」が条件だと強調した。

 中谷元・防衛相は山口県岩国市で記者団に「県の要望に沿って計画を変更した上で、行政的に承認を得た。憲法違反ではない」と反論した。

■「自然壊し公益」批判 名護市長

 【名護】稲嶺進名護市長は2日、同市辺野古の新基地建設の埋め立て承認取り消しをめぐる代執行訴訟の第1回口頭弁論を受け「(国側の主張は)極めて一方的な押し付け。裁判所はしっかり審理してほしい」と求めた。市役所で、記者団の質問に答えた。

 抑止力維持などの観点から埋め立て事業の公益性が高いとの国側の主張について「沖縄だけに負担を押し付け、大浦湾の貴重な自然をつぶしてまで基地を造るということが、公益というもので片付けられる、無視されるのは納得がいかない」と批判した。

 県と国が争った1995年の代理署名訴訟について「県の控訴が棄却され、一方的に判断が下された」と指摘。「わが国は三権分立がきっちりなされていると思いたい。しっかり審理してほしい」と求めた。

■国の法解釈を批判 島ぐるみ会議

 名護市辺野古の新基地建設に反対する島ぐるみ会議共同代表の大城紀夫連合沖縄会長は2日、代執行訴訟について「政府が(法律を)都合の良いように自分勝手に解釈している」と批判し、世論喚起などを通し法廷の外で翁長雄志知事を支援する考えを示した。

 国が行政不服審査法に基づき知事の承認取り消しを取り消す手続きを進めながら、「他に手段がない」として代執行を求める手法を矛盾と指摘し「裁判所は当然、代執行は法律上許されることがないと判決を下すだろう」と期待した。

 事務局長を務める玉城義和県議は知事選で辺野古反対の民意は示されているとし「本来は政治的に解決するべきことで、司法の場に持ち込むのは(国の)政治責任の回避だ。とはいえ、知事は県民が売られたけんかを買い、堂々と民意を訴えていってほしい」と述べた。

■司法の公平判断訴え 沖縄県議会の喜納議長

 県議会の喜納昌春議長は2日、翁長雄志知事の名護市辺野古埋め立て承認取り消しをめぐる代執行訴訟の第1回口頭弁論を受け「三権分立の司法の立場から、公平な判断をしてほしい」と述べた。沖縄タイムスの取材に答えた。代執行訴訟については「知事があらゆる手段で新基地を造らせないと主張する中で承認を取り消した。それに国が対抗する訴訟は想定内ではないか」と指摘。国が埋め立ての根拠とする前知事の承認は「不透明な部分がある」とし、「司法の場で承認が法的に正しいのかをはっきりさせるべきだ」と述べた。