私らしく、はたらく(8)吉戸三貴

 サンゴ当番、映画の台本チェック、ジンベエ写真送付。沖縄美ら海水族館の広報をしていた頃、私のパソコンは、こんな不思議なメモであふれていました。使っていたのは、25ミリ×75ミリの蛍光カラーの付箋紙。海風が香る事務所でも落ちないように、しっかりくっつく強粘着タイプを使うのがささやかなこだわりでした。

 その後、起業してメモの内容は変わりましたが、付箋で効率的に仕事をするスタイルは今も同じです。時間の管理を徹底するようになったのは、20代の頃に過労で倒れるという苦い経験をしたから。自分がどのくらい仕事を抱えているのか分からず、力まかせに働いた結果、容量オーバーになってしまったのです。その時の反省を踏まえて生まれたのが、付箋を使い、三つのルールで時間管理をする方法です。

 ルールその1は「見える化」。やるべきことを付箋に一つずつ書き出して仕事の総量を把握します。余裕がある時は感覚だけでコントロールできますが忙しくなるとあれもこれもやらなきゃ! と焦って余分な時間がかかったり、処理しきれない量を抱えてパンクしてしまったりするからです。

 二つ目のルールは「優先順位づけ」。私は、付箋を貼る位置で、仕事の優先度がすぐにわかるようにしています。上司の急な指示で1時間以内に片付けなければならない課題などはパソコンの左上、経費精算などのルーティンはキーボード横といった具合です。何から手をつけるか迷わなくなるので、時間の節約になります。

 最後のルールは「先送り」。たとえば、来月からアイデア出しに取り掛かった方が良い企画があれば、小さめの付箋に「〇〇企画について考える」と書いて、手帳の翌月のページに貼ります。何でもかんでもすぐにやろうとすると時間が足りなくなるので、適切な時期に思い出せるように仕掛けをした上で、今するべき仕事に集中するのです。私はこれを、「戦略的先送り」(ちょっとカッコいいから!)と呼んでいます。

 多忙な美ら海水族館時代に身につけた時間管理術は、独立した今も大きな助けになっています。仕事が効率化できると、プライベートを充実させたり、資格を取るための勉強をしたりと、自分の好きなことに時間を使えるようになります。(コミュニケーションスタイリスト)