【那覇】もし、県内で災害が起き、避難所を運営する立場になったら、どうするか。繁多川公民館で11月29日、静岡県が開発した防災模擬体験ゲーム「避難所HUG」が開かれた。地域住民ら約20人が参加。学校が避難所になったことを想定し、次々と押し寄せてくる避難者をどう誘導するか、参加者同士で意見を出し合いながら、災害時の対応方法について考えた。

平面図に付箋や避難者の特徴が書かれたカードを置きながら、避難所を運営する参加者たち=那覇市・繁多川公民館

 4~5人のチームに分かれてゲーム開始。机上に置かれた体育館や教室に見立てた平面図に、避難者の名前が書かれたカードを並べ、配置していく。カードには避難者の年齢や性別、国籍のほか、「犬を連れてきた」「人工透析が必要」「親が亡くなってしまった」など、それぞれの特徴を記載。校内に案内した方がいいのか、体育館内がいいのかなど、参加者は状況に応じた判断が必要となる。

 開始直後から、運営ボランティアが次々とカードを読み上げていく。事前に何も決まっていないため、カードを受け取った参加者はてんてこ舞い。チーム内で確認する暇もなく、避難者が駆け込んでくる。仮設トイレの置き場所や、駐車場の位置なども決めなければならない。「トイレが流れず、排せつ物があふれている」とのカードもあり、「えぇ~!?」とため息が漏れる場面もあった。

 約1時間のゲームを終えると、参加者は疲れ切った様子。互いに良かった点や改善点などを話し合った。参加した金城芳行さん(48)は「混乱した。いろんな状況の人が来て、どう振り分けようか考えている間に別の人が来る。いろいろ考えさせられた」。

 新垣寿子さん(60)は「沖縄の人は災害に対する危機感が低いように感じる。このようなシミュレーションを何度も重ね、意識してもらうことが大切だ」とうなずいた。

 主催した遊学舎の宮城由香さんは、ゲームの狙いを「困らせる、焦らせる、悩ませること」と話す。正解はなく、何度もゲームに参加し他のチームの成果を学ぶことで、より良いものが生まれるという。「(避難所の運営は)すごく大変なことだと感じてほしい」と意義を話した。