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  • 沖縄芝居の名優・平良とみさんの訃報に悲しみの声が相次いだ
  • ちゅらさんの国仲涼子さん「本当のおばぁちゃんのようでした」
  • ゴリさん「笑った時のくしゃっとした顔がいとおしい」

 芸歴70年以上。映画やテレビドラマなどで全国的な人気を博した沖縄芝居の名優、平良とみさんが亡くなった。突然の訃報に、親交の深かった関係者から「もう会えないことが寂しい」と惜しむ声が上がった。

「ちゅらさん」の全収録を終えた平良とみさん(左)をねぎらう国仲涼子さん=2001年8月24日、小浜島

 「とみさんがいなければ映画はつくれなかった」。平良さんが主演した映画「ナビィの恋」の中江裕司監督は、一緒に作り上げた作品を振り返り「脚本を理解して、それを超える演技を見せてくれた。ウチナーグチも、とみさんから学んだ。『ナイチャーでもいい。沖縄のことを分かってくれているから』と声を掛けられたことを覚えている」と悲しみを語った。

 NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」で共演したガレッジセールのゴリさんは「笑った時のくしゃっとした顔がいとおしく、すぐに場が和んだ。つらくても苦しくても、いつでも笑って笑顔で生きることが大切だということを教えてもらった」。

 川田広樹さんは「『ちゅらさん』のときからすごく優しくしてくれて、本当のおばあちゃんみたいだった。おばあの優しい声が今でも忘れられない」とコメントを出した。

 復帰25周年を記念し全国上演された「めんそーれ沖縄」など、平良さんの舞台を多く演出した加藤直さんは「観客を別の世界に連れて行ってくれる役者だった」と悼んだ。

 琉球歌劇保存会の吉田妙子副会長は「稽古も『なーなー』では演じない常に本気の役者で、学ぶところが多かった。沖縄芝居の継承にも力を入れていて、天国から頑張れとエールを送ってくれる気がする」としのんだ。

 沖縄俳優協会の春洋一会長は「大きな星を失い、誠に残念。ご冥福をお祈りします」と追悼した。

■ちゅらさん恵里役 国仲さん「元気与えてくれた」

 平良さんの訃報に、NHKドラマ「ちゅらさん」のヒロイン「恵里」役の国仲涼子さんは6日、コメントを出した。

 おばぁ…、平良とみさん、突然の訃報で驚いてます。

 ちゅらさんの撮影では長い間お世話になりました。

 撮影の時も、普段の会話の時も、「おばぁ、おばぁ」とみんなから慕われ、小さい体から溢れるパワーは、みんなに元気を与えてくれました。

 大変な撮影の中、毎日顔を合わせると「体調大丈夫?」とずっと私の体を気遣ってくれて、本当に自分のおばあちゃんのようでした。楽しい思い出は数え切れません。感謝の気持ちでいっぱいです。

 おばぁ…寂しいです。

 本当に本当に、ありがとうございました。安らかにお眠りください。

■活躍 沖縄から全国へ 言語継承に意欲

 平良とみさんが芸能の世界に入ったのは13歳の時。石垣島で進学した国民学校高等科の学費を稼ぐため、当時人気を博していた翁長小次郎一座に入団した。

 後のインタビューで「歌や踊りが好きだということはなかった」と振り返っているが、1948年、翁長一座が沖縄本島で巡業した際には、老け役から三枚目までをこなす「名脇役」として注目を集めた。

 沖縄芝居以外にも挑戦。「ナビィの恋」や「ちゅらさん」では、優しい語り口や愛らしい笑顔が全国的な人気を集め、「おばぁ」の愛称で親しまれた。99年に東京スポーツ映画大賞主演女優賞、2004年には沖縄タイムス賞を受賞した。

 近年は沖縄芸能の基礎となる、しまくとぅばの風化を懸念。沖縄タイムス賞受賞時には「ウチナーグチがなくなったら、ウチナー文化がなくなる、そうなったら寂しいさー」と述べ、継承に意欲を見せていた。

 14年の旭日双光章受章時も、「自分がウチナーンチュだと感じることが大切。普段から心掛けて使ってほしい」と語っていた。