沖縄県内の県立高校で1日、一斉に卒業式があった。別日程で行われる特別支援学校と合わせ、今春は1万4千人余が学びやを巣立つ。

東江祐飛さん(右から2人目)を祝福する西村松太朗教諭(同3人目)と母紀美さん、父誠治さん=1日、県立豊見城南高校

 豊見城南高校では、右目は全盲で左目は視野狭窄(きょうさく)のある東江祐飛さん(18)が卒業した。教諭や特別支援教育支援員などの励ましを受けながら機器を使って授業に臨み、努力し続けた。「みんなに支えてもらった」と感謝の気持ちを胸に、本土の大学での新生活に胸を膨らませている。

 生後8カ月のころに判明した水頭症で、当時は命の危険もあったという。脳にたまった髄液を流す手術を受け、歩けるようになったのは2歳、話すことができるようになったのは3歳のころだった。

 両親の「地域で育ってほしい」との願いもあり、小中学校を普通学級で学んだ。「授業を理解しようとしても黒板の字が見えず、ついていけなかったりもした」。激しい運動はできず、中学からは支援員に付き添われて授業を受けた。

 高校では、県の事業で貸与されたタブレット型コンピューターを活用。教科書をダウンロードし、拡大画面で読んだ。内容が分からない時は友人に尋ね、録画した授業を見直した。定期テストでは、文字を拡大したプリントが配布されるなどの配慮を受けた。

 2年生の時の県外研修旅行で、大手広告代理店が掲げる「多様性」の経営理念に共感する。同社で働く目標を見つけ、必要なスキルを磨くための大学進学を目標に立てた。担任の西村松太朗教諭(36)と対策を重ねながら、筑波技術大学(茨城県)に推薦で見事合格。成績優秀者としても表彰された。

 卒業式では友人と家族から花や菓子を手渡され、笑顔で花道を歩いた東江さん。「うれしい気持ちと、新しい生活への不安も少しある。将来はみんなに幸せと元気を与えられる仕事に就きたい」と笑顔で話した。

 父誠治さん(44)と母紀美さん(43)は「よく生きてきてくれた。祐飛にありがとうと言いたい。これからも困難はあるが、頑張って周囲に貢献できる人になってほしい」と願った。