沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、11月に想定される沖縄県知事選の前に翁長雄志知事が埋め立て承認を撤回する案が県、県政与党内で浮上していることが1日、分かった。知事選までに撤回することで、選挙で辺野古問題を争点化し県民の信を問う狙いがある。

 これまで県政与党内では知事選と同日に県民投票を実施し、その結果を受け翁長知事が民意を理由とする「公益撤回」に踏み切る案が検討されてきた。一方で、辺野古に反対する市民などからは知事選や県民投票を待たず任期内で早期の撤回を求める声もある。

 さらに、市町村の協力が得られるかなどが課題として残り、与党は県民投票の実施の可否を今月中をめどに結論付ける見通し。

 知事選の前に撤回する案は「あらゆる手法で辺野古を造らせない」とする知事の公約を実行し、辺野古阻止の本気度を示した上で県民投票、知事選に臨むメリットが挙げられる。

 ただ、知事選前に撤回する場合、民意などの公益よりも国の法令違反などを理由とする「要件撤回」となり、国が県を提訴した場合に明確な法令違反を指摘し勝訴するのは困難との見方もある。

 県の富川盛武副知事と与党議員は2月20日に会合を開き、県民投票など辺野古阻止の取り組みを協議。両者の最終的な結論は固まっていないが、認識を共有し連携を深めることを確認した。

 知事は開会中の県議会2月定例会で「法的な観点から丁寧に検討し私の責任で(撤回を)判断する」として最終的に自らが判断する姿勢を表明した。

 昨年12月のマスコミ各社との新春インタビューでは「任期をまたぐことは基本的にはまだ考えていない」と1期目の任期内に撤回する考えを示しており、知事選前の撤回はこれまでの知事の発言とも整合性が取れる。