◆第2部 起業を育む 沖縄ガールズスクエア

 家事や子育て、介護と両立しながら働きたい−。私のアイデアで世の中の役に立ちたい−。那覇市曙に拠点を構える起業応援相談窓口「沖縄ガールズスクエア」はそんな女性の「思い」を起業に導く支援をしている。開業から6年目を迎え、これまでにカフェやフォトスタジオの開業、アクセサリーや化粧品販売のほか、離島の妊婦が出産前に那覇市内で滞在できる宿泊施設の開業など、さまざまなアイデアを形にしてきた。

起業に向けてクラウドファンディングを活用した資金調達やPR手法を学ぶ参加者ら=那覇市曙の「沖縄ガールズスクエア」

 同団体で設立時から女性の起業を支援してきた岩渕優子さん(34)は「女性の起業のきっかけは『こんなことがしてみたい』という漠然としたイメージから始まることが多い。それをどう具現化して起業につなげるか。ゼロから一緒に考えることで相談者は徐々に自信がついてくる」と話し、入り口からの支援の重要性を訴える。

 名護市在住の岸本かおりさん(30)。地域活性化に貢献したいと考え、昨年5月に起業。名護市でゲストハウス「ウムサン」の開業を計画している。起業直後に相談に行った他の企業支援機関では、事業を始める前に会社を起こしたことを否定され、自信を失いかけたこともあった。ガールズスクエアと出合い、親身に相談に乗ってくれる姿勢に励まされた。宿泊施設の許可申請など必要な準備やPR方法のアドバイスを受け、今年4月開業を目指す。

 岸本さんは「細かい要望を聞いてくれて空間デザインなどで私らしい表現ができた。さらに融資など経営に関わる相談にも答えてくれる。一つ一つの悩みを解決することで開業までの道筋が明確になり自信がついた」と話す。

 ガールズスクエアは「起業に関心はあるが何から始めていいのかわからない」という女性に向けた支援窓口。岩渕さんは「多くの支援機関が求める事業計画書の提出はハードルが高すぎる。まずは持ってるアイデアを聞いてもらう場所が必要だ」と語る。

 女性は出産、育児などライフスタイルの変化が大きく、会社勤務を諦めざるを得ない人もいる。ただ、限られた時間を活用して新しいことにチャレンジして社会の役に立ちたいと思う女性は多いという。岩渕さんは「潜在的な需要を掘り起こせば女性活躍の場が広がる」と期待する。

 岸本さんは「私の体験を語ることで起業を考える女性の背中を押したい」と話す。「起業は誰でもできるということを多くの人に知ってほしい」と、自身のSNSやガールズスクエアが発行する冊子を通じて起業からゲストハウス開業に向けた過程を発信。「女性が活躍できる豊かな社会に向けて一石を投じたい」と力を込める。(政経部・久高愛)