沖縄県内外から多くの支援を受け、2年前に米国で心臓移植手術を成功させた浦添市出身の翁長希羽(のあ)ちゃんが2日、3歳9カ月の生涯を閉じた。重い心臓病を患い、集まった寄付金で手術を受ける県内4人目の患者として渡米。術後は悪性リンパ腫などの合併症に苦しみ、小さな体で懸命に闘ったが力尽きた。回復を心待ちにしていた支援者にも、深い悲しみが広がっている。

一時帰沖し、県庁での記者会見で顔を見せる翁長希羽ちゃん(中)と、父司さん、母涼子さん=2017年6月15日午後、県庁

 浦添市の要俊明さん(53)は2日朝、会員制交流サイト「ライン」で希羽ちゃんの父司さん(41)から直接、訃報が届いた。現在は神奈川県内の大学で学ぶ長女美優(みゆ)さん(20)が2011年に渡航移植し、当事者家族として気持ちを共有してきただけに「本当に悲しい」。

 希羽ちゃんの渡米前「元気に沖縄に帰って来たときは、抱っこさせてほしい」と司さんと約束。それが昨年6月、希羽ちゃん一家の一時帰沖で実現したことが思い出深いという。「試練は移植した後も続く。本人も家族も大変だったと思うが、希羽ちゃんはたくさんの愛情をもらい幸せだったのではないか」と声を震わせた。

 希羽ちゃんの母涼子さん(43)の出身地、熊本県八代市などで街頭や企業を回って募金を呼び掛けた和久田由美さん(51)は「一刻も早く元気な姿を見たいという一心で応援してきた」と振り返る。「両親の気持ちを察すると言葉にならない。希羽ちゃんにはただ、頑張ったねと伝えたい」

 15年9月に募金活動を始めた支援団体「のあちゃんを救う会」の平良誠共同代表も「アメリカで受け継いだ心臓は懸命に命の鼓動を続けていたのですが、度重なる治療は小さな体に少しずつ無理をさせていて、これ以上の苦しみには耐えられないところまで頑張ってくれました」とコメント。「病苦から解放されて安らかな眠りにつくことができた希羽ちゃんを、私たちも心穏やかに見送りたいと思います」とつづった。

一時帰沖し、県庁での記者会見で笑顔を見せる翁長希羽ちゃん(中)と、父司さん、母涼子さん=2017年6月15日午後、県庁