【石垣】手足に障がいがある人の生活を手助けする「介助犬」の認定に向け、石垣市の新開秀雄さん(51)とラブラドルレトリバーのオス3歳、オメガのペアが、来年2月の認定試験に向けて訓練を始めている。合格すれば、県内初の介助犬の誕生だ。脊髄性筋萎縮症で手足の力が弱い新開さんは「落ちたものを拾い、緊急時に助けてくれる大切なパートナー」と信頼を深めている。(八重山支局・新崎哲史)

新開さん(後方)のスマホを加え、渡す訓練をするオメガ=石垣市真栄里の自宅

 「オメガ。シット(座る)、携帯テイク(取る)、ギブ(渡して)」

 新開さんの掛け声で、床に置かれたスマートフォンのストラップを口にくわえて新開さんの膝元へ。「グッド。携帯は完璧だね」。新開さんから褒美のドッグフードをもらい、うれしそうに尾を振った。

 厚生労働省によると、障がいをサポートする全国の補助犬のうち、盲導犬が984頭に対し、介助犬はわずか74頭(1日現在)。3日にオメガと共に来島し、訓練を指導する日本介助犬協会の遠藤大輔トレーナーは「ペアとなる人の障がいはさまざま。介助犬はその人に合わせた訓練をする完全オーダーメードで、量産できない」と語る。

 新開さんは体調が良いときは歩けるが、悪いときはベッドで動けなくなることも。「以前、台風の時に自宅で転倒したまま起き上がれず、恐怖を感じた。携帯があれば助けも呼べる。オメガの存在は頼もしい」と笑顔を見せる。

 同協会には介助犬を得た人から「外出が好きになった」との声も寄せられ、利用者と地域をつなぐ役割も期待されている。新開さんは「訓練次第で冷蔵庫の飲み物を取ったり、服の着脱も手伝ってもらえる。人生を楽しく生きるパートナーとして過ごしたい」と楽しみにした。