この春高校を卒業の高校生ら8人が脚本・演出・出演をする演劇「ヒロイン」が4日午後2時半から、那覇市の牧志駅前ほしぞら公民館ホールで開かれる。県内5校の演劇部員だった生徒が有志で集まった卒業公演。堅実で欲がない「さとり世代」と称される10代~20代の若者たちの悩みや不安、現実を描いている。(社会部・伊藤和行)

リハーサルをする脚本を担当した垣花さん(右)ら。舞台の設定は2年後の居酒屋だ=2日、那覇市・牧志駅前ほしぞら公民館ホール

 手掛けたのは、昭和薬科大付属、浦添工業、首里、那覇西、開邦の5高校の3年生6人。高校最後の演劇大会となる昨秋の県高校演劇研究大会でライバルとして競い合った生徒たちが「それぞれの進路に進む前に一つの劇を作ろう」と、学校の垣根を越えて集まった。2年生2人も協力している。

 演劇の舞台は今から2年後のとある居酒屋。高校の演劇部で競い合った女性4人が20歳になり、大学生やフリーター、会社員、若手役者とそれぞれの道を歩みながら直面する現実に悩む姿を演じる。

 脚本を担当した昭和薬科大付属高校3年の垣花恵利奈さん(18)は「夢を追い掛けたい一方で、社会の歯車として生きていくしかないと冷静に見ている自分たちのリアルを表現した」と言う。

 脚本や演出、美術、音響などはすべて生徒たち自身で作り上げた。昨年12月から脚本作りや稽古を始め、週4回は集まって話し合ったという。

 相談に乗った県教育庁文化財課の島元要さん(58)は「劇場の予約や告知、予算などは高校演劇では学べない。表現することの根本を学んだと思う」と評価する。

 垣花さんは「同世代の高校生だけでなく、『さとり世代』が何を考えているのか気になっている大人の皆さんにも見に来てほしい」と話している。

 チケットは18歳以下が100円、19歳以上が200円。演劇にかかった費用に充てられる。