久米島町西南部の丘陵地に位置する銭田森林公園のエリアに、子どもたち向けの交流拠点施設を造る計画が進められている。アニメ映画監督の宮崎駿さんが久米島の自然に着目し、建設を呼び掛けた施設は「風の帰る森」と名付けられ、2年以内の開所を目指している。

「肌で風を感じることのできる施設にしたい」と話す田場勝治さん(左)と渡辺信介さん=久米島町

宮崎駿さんが久米島に建設する施設のイメージ図(遠景)=久米クリエーション・田場勝治さん作

「肌で風を感じることのできる施設にしたい」と話す田場勝治さん(左)と渡辺信介さん=久米島町 宮崎駿さんが久米島に建設する施設のイメージ図(遠景)=久米クリエーション・田場勝治さん作

 施設は児童館や学童クラブ、図書館などの設置を予定している。これまで島になかった内容だけに、住民から「とても楽しみ」「きっといい施設になるだろう」と期待の声が上がっている。

 大田治雄町長は「自然など、久米島の持つ特性が評価された」と話す。来年8月ごろの着工を前に、町内各団体から約30人の町民が集まった設立委員会が発足した。2週に1度のペースで会議を開いて施設の内容について検討を重ねている。

 「地に足が着いた、子どもたちの施設が目標です」と話すのは田場勝治さん(38)。島内のデザイン会社、久米クリエーションの代表として、同プロジェクトの調査や企画を行っている。同社で設計を担当する渡辺信介さん(35)は「子どもたちに将来の島の様子を描いてもらい、人口減少に対応したい」と期待する。

 田場さんは「施設は決してテーマパークではありません」と強調する。

 2012年に島内で始まった、福島原発事故で被災した子どもたちの受け入れ事業が施設計画のきっかけにもなっており、福島県と久米島との交流も推進する。また、施設の建物や周辺道路のデザインなどを、今後の久米島のまちづくりの指標にすることも視野に入れている。

 小学校高学年から高校卒業まで久米島で過ごした田場さんは「都会に憧れるのではなく、島で生活を完結するきっかけづくりをしたい」と話す。検討委には幼い子を持つメンバーも多いという。「文化や風景など、次世代に島の何を残せるか」をテーマに論議が続けられている。(南部報道部・天久仁)

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