ことし3月、紅イモ(甘藷(かんしょ))の拠点産地認定を受けた久米島町の生産が好調だ。2013年に病害虫「アリモドキゾウムシ」が根絶されて以降、増産の機運が高まり、13年度の生産量は根絶前の11年度と比べて約2・7倍に増加。15年度は約3・4倍の生産が見込まれている。同町では初めてとなる紅イモ加工処理施設の建設計画も進めており、来年度中の操業開始を予定している。20年度には1600トン超の生産を目指す。(新垣卓也)

久米島町の紅イモ生産量

久米島町大原の紅イモ畑。同町には2014年度時点で33ヘクタールの作付面積がある(同町産業振興課提供)

久米島町の紅イモ生産量 久米島町大原の紅イモ畑。同町には2014年度時点で33ヘクタールの作付面積がある(同町産業振興課提供)

 アリモドキゾウムシは、紅イモなどの甘藷に被害を及ぼす病害虫。1990年に国と県が久米島町での根絶事業を始め、99年から不妊虫の放飼を開始。2012年度までに約4億5600万匹を放ち、13年1月には農林水産省が根絶達成を発表した。

 根絶後、農家の意欲も高まり、紅イモ生産量が増えている。11年度の235トンから、12年度は558トンに増加。13年度638トン、14年度650トンと右肩上がりで増えた。

 町内農家や行政で構成する産地協議会で品種改良などにも取り組み、ことし3月に県の拠点産地認定を受けた。

 町産業振興課によると、認定で増産に弾みがつき、15年度は約800トンが見込まれる。

 町の紅イモは約9割が加工用。ペーストや粉末に加工され、お菓子などに使われる。

 町はさらなる増産を見据えて県の事業を活用し、イモの洗浄機やスライサー、冷凍装置などを備えた加工施設の建設を計画した。敷地面積約300平方メートルで、総工費は約1億9千万円。年内に設計を終え、1月にも着工する。

 高温多湿な環境でイモの傷口をコーティングして食味を良くする「キュアリング施設」と長期保存用の冷凍庫を導入し、生食用の増産に向けた実証事業も計画している。

 久米島町産業振興課は「産地のブランドを確立し、県外にも需要を広げていきたい」と意欲をみせた。