【松田良孝通信員】沖縄など日本や台湾、韓国で森に関する文化の継承や保全に取り組んでいる李春子・神戸女子大学非常勤講師らの研究グループがこのほど、美しいリュウキュウマツで知られる花蓮市を訪れ、マツを枯死させるマツノザイセンチュウの被害予防などについて台湾側に助言した。

松園別館でリュウキュウマツの状況を確認する森陽一氏(手前左)と李春子氏(右)。中央は森林保護組の伝春旭氏=花蓮市

 同市内には、リュウキュウマツの名所として、旧日本軍の関連施設をリノベーションした松園別館と、日本統治期の1921年に整備された浄水場を台湾の公営水道企業が引き継いで使用している台湾自来水公司第9区管理処がある。いずれも高台にあり、松園別館は人気の行楽地。

 台湾政府の行政院農業委員会林業試験所森林保護組の伝春旭(チュアンチュンシュ)氏によると、松園別館には現在も約30本のリュウキュウマツがあり、その樹齢の長さから「百年老松」と名付けられたものもある。マツノザイセンチュウの被害を防ぐ薬剤は年1回、樹皮から注入している。

 研究グループの4人は松園別館で伝氏と共にマツの状況を確認した。

 樹木医の森陽一・福岡県樹木医会代表理事は、日本では別の薬剤を6年に1回、ガスで加圧して注入していることを紹介し「その方が木にとってストレスが少ない。日本の専門家が台湾側に協力する、民間のボランティア的な取り組みからスタートさせてはどうか」とアドバイスした。

 森氏によると、マツに薬剤を注入する場合、松やにによって薬剤が木の中で目詰まりを引き起こす恐れがあるため、日本ではガスで加圧する方法が普及している。

 李氏は「日本と関わりのある場所でもあり、ぜひリュウキュウマツを残していってほしい。リュウキュウマツがあるから、人が集まってくるのだと思う」と話した。