9秒でまるわかり!

  • 沖縄セルラー社が県内各離島での植物工場の普及に取り組んでいる
  • 台風など気候に左右されない、生鮮野菜の島内安定生産を目指す
  • 実証実験・研究で得た低コスト化・栽培方法など運営技術を提供する

 沖縄セルラー電話(北川洋社長)は、沖縄県内離島の生鮮野菜の安定供給に向け、離島市町村への植物工場の普及に取り組んでいる。2013年から南城市に植物工場を保有し研究を続けており、低コスト化や栽培方法などの運営技術を市町村に提供する。台風などで物流網が途絶え、生鮮食品の品切れが相次ぐ離島特有の課題解決につながるとして、南大東村などの複数の市町村が興味を示しているという。(照屋剛志)

沖縄セルラー電話が運営する植物工場=南城市(同社提供)

 同社は、県内での葉野菜の安定供給と農家所得の向上を目指し、約80平方メートルの植物工場を建設。栽培方法やコスト低減の実証実験に取り組んでいる。

 LEDや通信機器を活用した遠隔監視・制御で低コスト化を実現。栽培技術も確立し、レタスやハーブなどをリウボウストアで販売している。100グラム入り約200円で、夏場は県外産よりも安い価格で提供でき、売れ行きは好調という。

 植物工場は、市町村や農業生産法人による建設、運営を想定。同社は、低コスト運営ができるよう工場設計の段階から関わる。栽培管理や売れ筋商品などの販売戦略もアドバイスする。

 県内離島は台風の影響などで海が荒れると船が入港できず、島外からの物資供給が途絶えることが多い。台風が停滞すると、2~3週間も孤立する離島もある。

 また、県内は高温が続く夏場は葉野菜の栽培に向いておらず、5~11月は県外からの移入に頼っている。

 本土での天候不順や気象災害などで収穫量が減少したり、物流網が途切れたりすると品薄で価格が高騰しやすい。

 ビジネス開発部の國吉博樹部長は「気候に左右されず、生鮮野菜を安定生産できる植物工場で、沖縄の課題を解決したい」と強調。県内離島への普及を目指し、市町村に導入を呼び掛けている。

 北川社長は「地元に貢献できる事業を展開していきたい」と話した。