沖縄県南城市で熱帯果樹を栽培するトロピカルファームちゅらび(城間正守代表)は、アテモヤの品種を独自開発し、1月から出荷を始めた。実が大きく、種が少ないクリーミーな食感が特徴。既存品種にはない品質を売りに土産品店などの顧客を確保し、市場を介さない安定価格の取引につなげている。今年は300キロを収穫する予定で、2020年までに年間1トンの生産を目指す。

アテモヤの独自品種を開発した城間正守代表=5日、南城市のトロピカルファーム「ちゅらび」

 アテモヤは、収穫期が1~3月で、パイナップルやマンゴーなどの熱帯果樹より早いため、「冬場の熱帯果樹」として人気が高い。ただ、栽培農家が少なく、県内の生産量は年間30トンにとどまる。

 城間代表は「競争相手が少ないため、高品質の品種で勝負ができる」と考え、2010年からアテモヤの品種開発に取り組んだ。

 県内で栽培されているアテモヤは「ジェフナー」「アフリカンプライド」の2品種が主流で、糖度はいずれも20度を超える。一方、表皮部分の突起が多く害虫や傷に弱かったり、種が多かったりするなどの欠点もある。

 城間代表は、県内で栽培されている優良品種や、海外産などを集めて交配を重ねて8年がかりで、独自品種を開発した。1玉500~700グラムと市場で流通するアテモヤの400グラムより一回り大きい上、種が少なく食感が滑らかなのが特徴で、初めて生産した300キロは売り切れる見通しという。

 アテモヤの市場価格は出荷初期の12月末から1月上旬は1キロ当たり4千円と高値で、出荷最盛期は千円まで落ち込む。城間代表は、取引価格を1キロ当たり2千円程度に設定し、安定収入につなげている。

 城間代表は「既存品種と違うインパクトがあれば付加価値が付く。それを強みに一定価格で販売すれば安定収入につながる」と話した。(政経部・久高愛)