車を急がせていると道路に「よーんなあ(ゆっくり)」の文字。運転手をしまくとぅばでほっとなごませ、減速してもらおうという道路標示が、与那原町板良敷にある。国道への抜け道として交通量が増えたため、2014年表示した。「目に付きやすく効果がある」。住民もしまくとぅばの表示に愛着を抱く。(編集委員・謝花直美)

「よーんなあ」の道路標示で徐行をと呼び掛ける新垣茂信板良敷区長=与那原町同区

「よーんなあ」の道路標示で徐行をと呼び掛ける新垣茂信板良敷区長=与那原町同区

 「よーんなあ」は、住宅街を通る町道板良敷23号に、幅2・125メートル、長さ27・5メートルで表示されている。数年前、海岸沿いの道路が整備され国道331号へ抜ける車が増加した。板良敷区長の新垣茂信さん(70)は「信号に間に合わせようと、急ぐ車がいて危ない。住民から注意喚起の要望が出た」と説明する。

 相談を受けた与那原町農水環境安全課の仲村健二さん(23)は「もともと、標示がなかった。周辺に駐車場も多く、国道向けに速度が出やすい場所だった」と話す。「インパクトがあるもの」と調整する中で、工事を担当した沖縄道路興業(西原町)から、しまくとぅば表示を提案された。同営業部の津波裕二さん(49)は「命令口調よりやわらかく親しんでもらえるのでは」と意図を話す。

 役場内の調整では「他市町村で見たことないため、目につきやすい」と評価する声が多かったが、「本土出身など理解できない人もいるのでは」との意見もあった。実際の表示が完成した現在は「好評価です」と仲村さん。「よーんなあ」が標示されて約1年。新垣区長は「いいですね。効果があると思う」と満足そう。しまくとぅばの表示と聞いて最初は驚いたが、今はすっかりお気に入りだ。しまくとぅば世代の新垣さん。「よーんなあ」は、幼いころ祖母によく言われた言葉だ。「慌てぃーねー くるぶんどー。よーんなあ行きよー(慌てたら転ぶよ。ゆっくり行きなさい)」。表示を見ると、祖母の思いが懐かしくよみがえる。運転手にも「よーんなあ」の表示で、ちむぐくるを感じ、ゆとりを取り戻してと願う。