独身のころ、休日は誰とも話さずに終わることが結構あった。スーパーのレジでのやり取りが唯一という日も。やはり人恋しかったのだろう、支払額が777円だった時は店員さんと話が弾んだ

 ▼レジの「セルフ化」が県内でも進んでいる。自分で商品のバーコードを機械に読ませて自動販売機の要領で支払う。時間が短縮できると好評らしいが、使ってみると実に味気ない。操作に手間取って店員さんが来てくれるとほっとする

 ▼野村総合研究所などの共同研究で10~20年後、ロボットや人工知能に置き換えられそうな仕事が発表された。レジ係、警備員、事務員などなど。日本の労働人口の49%が置き換え可能になるというのだ

 ▼リストの中には新聞配達員もあった。最近聞いた話。配達員が独居高齢者宅の異変に気付き、家族に連絡した。残念ながら手遅れだったが、感謝されたという

 ▼きっかけは音だった。ドア内側の郵便受けに新聞を落とした時の音がいつもと違う。前日の新聞が残ったままなのが分かった。未明なのに電気も付きっぱなし。こんなことはなかった-

 ▼新聞配達員もほかの職業人も、「機能」だけを果たしているわけではない。置き換えられない人格を生き、経験を生かしている。ロボット諸君はその点をよくわきまえ、あくまで人間の手伝いに徹してほしい。(阿部岳)