【北部】民間救急ヘリを運航するNPO法人メッシュ・サポートが、本部町瀬底の水納島で2014年から住民に対して負傷の程度で優先度を決める「トリアージ」などを講習して救急の意識を高め、搬送の実績を上げている。

メッシュ・サポートの宮城元樹さん(右)に寄付金を手渡す水納班長の湧川祥さん(中央)ら=名護市宇茂佐

 人口39人(8日現在)の島に年間約6万人の観光客が来島するが12、13年はいずれも搬送0件。どういうケースでメッシュに搬送を要求するかを住民に伝え、毎週末に救命士が来島し、救命措置やストレッチャーの使い方なども教えた結果、通報は14年が10件、15年は7日までに5件あった。患者の大半は観光客で熱中症などだったという。

 これまで急患は、民間の漁船などで本島に搬送していたが、講習を通して救急搬送の体制を構築した。水納班長の湧川祥さん(51)は、「メッシュに救急で来てもらえるのは心強い」と感謝。メッシュで「航空救命士」として活動する宮城元樹さん(28)は、「観光客が安心して島に行ける環境をサポートしたい」と話している。

 宮城さんは「年間6万人の観光客がいるのに通報がないことに疑問を持った。島に行くと、自分たちで搬送しようという意識が強いのかなと感じた」ときっかけを語る。これまでは船で本島に運び、陸路で病院に搬送するまで30分以上かかっていたが、ヘリは5分。湧川班長らは8日、名護市宇茂佐のヘリポートを訪ね、住民から集めた15万円と、観光施設内の売店にことし6~10月まで設置した募金箱を寄付した。