地球温暖化を食い止めるため、すべての国が立場の違いを乗り越え、決められた国際ルールに従って、温室効果ガスの削減に取り組む-そのための新たな枠組みができた。

画期的な成果だ。

 国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)は、地球温暖化対策の新たな枠組みとなるパリ協定を採択し、閉幕した。

 温暖化対策の国際的枠組みは、1997年の第3回締約国会議(COP3)で採択された京都議定書以来18年ぶりである。

 京都議定書は、欧州や日本などの先進国だけに削減目標を義務づけ、米国や中国などは削減義務を負わなかった。

 これに対しパリ協定は、温室効果ガスの排出大国である米国、中国、インドなど、条約に加盟するすべての国が参加する初めての国際的枠組みとなる。

 「皆さん。自国のためだけでなく、人類全体のために選択してください」。議長国フランスのオランド大統領は、最終合意案を提示し、各国に合意を促した。

 協定が採択されたのは、地球温暖化の影響とみられる災害が世界で多発し、危機意識が地球規模で広がっていることが背景にある。特に、水没の危機にさらされているキリバス、ツバルなどの国々にとって温暖化対策は一刻の猶予も許されない。

 島国の危機意識を背景に、協定は気温上昇を2度未満にすることを目的として掲げつつ、1・5度以内に抑えるよう努力することをうたった。大胆な取り組みなしには実現し得ない高いハードルだ。

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 協定は今世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする、との野心的な長期目標を打ち出している。

 各国はそれぞれ削減目標を定めて国内対策を進めることになるが、目標達成は義務づけられておらず、達成できなかった場合の罰則規定も設けられていない。難点と言えば、そこが難点である。

 最大の争点になっていた発展途上国への資金支援については、先進国側の拠出を義務化し、経済力のある新興国にも拠出を促した。

 実際に支援が実行されるよう継続的にチェックしていく必要がある。

 協定はあくまでも枠組みであり、国際ルールである。合意された内容を実現しなければ意味がない。実現を可能とする仕組みになっているかどうか。参加する各国に目標を実現する強い意思があるかどうか、が何より重要だ。

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 パリ協定が採択されたことを受け、日本は2030年度までに温室効果ガスの排出量を13年度レベルから26%減らす目標の達成が求められることになった。

 家庭やオフィスの照明を効率のいい発光ダイオード(LED)に切り替えること、新築住宅の省エネ基準を強化すること、ハイブリッド車や電気自動車(EV)などのエコカーの普及、暮らしの省エネなど、取り組むべき課題は多い。

 日本の技術力を生かし、「脱炭素社会」の先導役を務めてもらいたい。